IDC Japanは3月27日、スマートフォンとタブレットを含む国内モバイルデバイス市場の2012年第4四半期(10~12月)および2012年の出荷台数を発表した。
2012年第4四半期の国内スマートフォン出荷台数は、前年同期比29.2%増の883万台で、国内の全携帯電話端末出荷に占めるスマートフォン端末の出荷比率は77.9%にまで上昇した。
市場拡大の要因は、2012年9月にKDDI、ソフトバンクの両通信事業者から発売された「iPhone 5」の販売が好調を維持していること。また、低消費電力の液晶IGZOを搭載したシャープの「SH-02E」が幅広いユーザー層に支持され、販売拡大を続けていることも一因となった。
OS別シェアでは、Android搭載のスマートフォンが57.8%を占め、前四半期に続きiOSシェアを上回った。
一方、タブレット出荷台数もスマートフォンと同様に大幅なプラス成長を記録。前年同期比88.3%増の202万台に達した。IDCジャパンは急成長の要因として、クリスマス商戦をターゲットにアマゾンの「Kindle Fire」やGoogleの「Nexus 7」などの低価格タブレットが相次いで登場したことを挙げた。
さらに、LTE(4G方式)搭載のタブレット出荷台数の拡大、法人タブレット需要が堅調に推移していることも理由の1つ。タブレット市場におけるOS別トレンドではAndroidが48.3%で、2期連続でシェアトップを獲得した。
2012年の国内スマートフォン市場は、Android端末とiOS端末が大幅に市場拡大を記録したことで、出荷台数は前年比42.1%増の2848万台となった。国内タブレット市場では、出荷台数は前年比91.3%増の462万台に達した。
IDC JapanのPC、携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの木村融人氏は今後の短期的な見通しとして「国内のスマートフォン需要は引き続き好調を維持し、2013年の出荷台数は3000万台を超えるが、2014年以降は成長は鈍化する。タブレット市場は“iPad mini”のような注目度の高い端末の登場に加え、低価格タブレットの市場拡大より、需要は拡大傾向が続く。一方で、ベンダー間での低コスト競争はさらに熾烈になり、同分野での収益構造にマイナス影響を与える可能性もある」と指摘した。
長期的な見通しとして「スマートフォン市場は2017年に出荷台数3765万台にまで拡大する。またタブレット市場も拡大し、同年の出荷台数は905万台を予測する」とも述べた。