日本ヒューレット・パッカード(HP)は4月4日、UNIX OS「HP-UX」上のデータベース(DB)を高速化するリファレンスモデル「HP SuperDB」を発表した。SuperDBは、HP-UXベースのハイエンドサーバ「HP Integrity Superdome 2」と、スケールアウト型ストレージプラットフォームの「HP 3PAR StoreServ Utility Storage」を組み合わせ、DBのI/O性能を高速化できるという。64ビットCPU「Itanium プロセッサ 9500」シリーズを搭載し、3PARのASIC技術を採用。参考価格は6400万円からとなっている。
SuperDBは、Superdomeの2008年モデルとの比較で、CPUコア数で3倍の性能向上を実現し、ハードウェアやソフトウェアの運用コストの削減を達成。コア数の抑制でDBライセンスを3分の1にするなど、保守コストの大幅な削減を可能にするという。既存のHP-UXで稼働するアプリケーションをそのまま高速化できるほか、標準アーキテクチャの採用で運用管理の簡素化も実現していると説明している。同社のエンタープライズ・インフラストラクチャー事業統括 ビジネスクリティカルシステム製品本部 製品企画部の日野創氏は、SuperDBのメリットをこう説明した。
日野創氏
手島主税氏
「年間のデータベースとハードウェアの保守費を76%削減できる。これにより、2~3年で導入費用の回収が可能になる。消費電力でも、約80%を削減でき、5年間利用で約2600万円の削減が可能」
同社の手島主税氏(エンタープライズ・インフラストラクチャー事業統括 ビジネスクリティカルシステム事業本部 事業本部長)はSuperDBについて「当社が取り組む(ユーザーやパートナーの声を製品やサービスの開発に活かすという)“Working Together”戦略を反映したもの。リファレンスモデルはHPのノウハウを集めたものであり、これにより、ベストなソリューションをお客様に提供できる。各種データベースを搭載できるが、Oracle Databaseを搭載した際には(データベース専用機の)Exadataとの対抗という点も当然、意識することになる」と説明した。
「データベースサーバは、システム全体でパフォーマンスを上げるチューニングが必要であり、最適なデータベースの設計を求める声が高まっている。また、データベースシステムの機器構成は難しく、パフォーマンスを向上させる技術的なコツがあれば参考にしたい、あるいは高いパフォーマンスの機器を導入したいが、既存システムで構築している管理環境は変えたくないという声がある。SuperDBは、こうした声に応えたものになる」(日野氏)
同社では、アプリケーションの移行に関する支援を行うために、ワンストップでサービスを提供する体制を整え、無償アセスメントも提供する。「HP Superdome 2に525円でアップグレードキャンペーン」も実施して、Superdome 2へのアップグレードを促進させる。