IIJ、コンテナ型データセンターモジュールを小型化--外気冷却機能を内蔵

田中好伸 (編集部)

2013-04-08 15:12

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は4月8日、コンテナ型データセンターモジュールを小型化した「co-IZmo」を開発、4月上旬から実証実験を始めることを発表した。通年で外気冷却を利用して、電力使用効率を1.0台に下げられるという。

 IIJはコンテナ型データセンターモジュール「IZmo」を開発、2011年4月から運営している「松江データセンターパーク」で商用運用している。これまでのコンテナ型データセンターモジュールは、サーバなどのハードウェアを収容するIZmoと、ハードウェアを冷却する空調モジュールが分かれており、中規模から大規模なデータセンターでの利用を想定している。

 IZmoを小型化したco-IZmoは、外気冷却機能を内蔵している。4月上旬からの実証実験では、外気冷却だけを利用して小規模用途のコンテナ型データセンターの商用化に向けて検証する。

 現行のIZmoと空調モジュールは、サーバの温度や湿度を一定に保つために、夏期は冷房設備(チラー)、冬期は加湿器を利用している。電力使用効率(PUE)は年間平均の実測値で1.17。co-IZmoでは、チラーや加湿器を使わずに、年間を通して外気だけで温度や湿度を管理する。モジュールごとのPUEを示す“Partial PUE(pPUE)”は1.0台に下げられると予測している。

 従来、IZmoと空調モジュールをダクトで連結し、室外機を設置するには冷媒配管が必要だった。co-IZmoはISO規格である20フィートコンテナの中に必要なハードウェアと空調機能をモジュールとして一体化させて収めている。コンパクトで可搬性の高いco-IZmoが商用化されれば、ユーザー企業が確保した敷地にIIJがco-IZmoを設置し、小型で安価なデータセンターを構築するといった需要にも対応できるという。

 IIJは同日、松江データセンターパークが環境マネジメントシステムの国際規格である「ISO14001」の3月26日付で取得したことも発表した。松江データセンターパークは拡大するクラウド需要に対応するため、4月18日から施設の拡張工事に着手する。

表 IZmoとco-IZmoの比較(出典:IIJ)
※クリックすると拡大画像が見られます

松江データセンターパーク拡張工事完了後の予想図(1)が現在稼働中の施設。(2)が拡張予定の施設

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  2. セキュリティ

    マンガでわかる脆弱性“診断”と脆弱性“管理”の違い--セキュリティ体制の強化に脆弱性管理ツールの活用

  3. セキュリティ

    クラウドセキュリティ管理導入による投資収益率(ROI)は264%--米フォレスター調査レポート

  4. セキュリティ

    Microsoft Copilot for Security--DXをまい進する三井物産が選んだ理由

  5. セキュリティ

    情報セキュリティに対する懸念を解消、「ISMS認証」取得の検討から審査当日までのTo Doリスト

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]