インターネットイニシアティブ(IIJ)は4月8日、コンテナ型データセンターモジュールを小型化した「co-IZmo」を開発、4月上旬から実証実験を始めることを発表した。通年で外気冷却を利用して、電力使用効率を1.0台に下げられるという。
IIJはコンテナ型データセンターモジュール「IZmo」を開発、2011年4月から運営している「松江データセンターパーク」で商用運用している。これまでのコンテナ型データセンターモジュールは、サーバなどのハードウェアを収容するIZmoと、ハードウェアを冷却する空調モジュールが分かれており、中規模から大規模なデータセンターでの利用を想定している。
IZmoを小型化したco-IZmoは、外気冷却機能を内蔵している。4月上旬からの実証実験では、外気冷却だけを利用して小規模用途のコンテナ型データセンターの商用化に向けて検証する。
現行のIZmoと空調モジュールは、サーバの温度や湿度を一定に保つために、夏期は冷房設備(チラー)、冬期は加湿器を利用している。電力使用効率(PUE)は年間平均の実測値で1.17。co-IZmoでは、チラーや加湿器を使わずに、年間を通して外気だけで温度や湿度を管理する。モジュールごとのPUEを示す“Partial PUE(pPUE)”は1.0台に下げられると予測している。
従来、IZmoと空調モジュールをダクトで連結し、室外機を設置するには冷媒配管が必要だった。co-IZmoはISO規格である20フィートコンテナの中に必要なハードウェアと空調機能をモジュールとして一体化させて収めている。コンパクトで可搬性の高いco-IZmoが商用化されれば、ユーザー企業が確保した敷地にIIJがco-IZmoを設置し、小型で安価なデータセンターを構築するといった需要にも対応できるという。
IIJは同日、松江データセンターパークが環境マネジメントシステムの国際規格である「ISO14001」の3月26日付で取得したことも発表した。松江データセンターパークは拡大するクラウド需要に対応するため、4月18日から施設の拡張工事に着手する。
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松江データセンターパーク拡張工事完了後の予想図(1)が現在稼働中の施設。(2)が拡張予定の施設