あと1年でサポート終了--Windows XPとOffice 2003からの移行を呼びかけ

三浦優子

2013-04-10 07:00

 日本マイクロソフトは4月9日、1年後の2014年4月9日にサポートが終了する「Windows XP」と「Office 2003」の法人ユーザー向けの取り組みを発表した。法人ユーザーがスムーズに移行できるよう、2014年4月9日までの1年間を最新のPC環境への「移行支援強化期間」として、業界パートナー約360社と連携して、さまざまな活動を展開していく。


日本マイクロソフト 代表執行役社長 樋口泰行氏

 日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏は、「サポート終了期間をきちんと告知し、移行するための施策についてもきちんと行っていくことが企業としての使命」と明言。Windows XPとOffice 2003はセキュリティサポートも含め、1年後の2014年4月9日で終了することから「企業の場合、カスタムメイドアプリケーションもあるので移行検証に時間がかかる。早い段階から移行に取り組んで欲しい」と呼びかけた。

 IDC Japanの調査によると、2012年11月時点で国内企業で利用しているPCの台数は3517万台、そのうち40.3%にあたる1419万台がWindows XPを搭載している。コンシューマー市場では4225万台のうち27.7%にあたる1170万台がWindows XP搭載という。

 マイクロソフトでは、OS発売後最初の5年間を機能アップデートを含む“メインストリームサポート”期間、それ以降の5年間をセキュリティ更新プログラムの提供を中心とした“エクステンデッドサポート(延長サポート)”期間と位置付けている。

 Windows XPは2001年10月の発売後、後継製品である「Windows Vista」の発売が遅れたこともあって、メインストリームサポート期間が通常よりも長い7.5年だったため、2014年4月までサポート期間が12.5年と通常製品よりも長期間サポートを行っている。


JPCERTコーディネーションセンター 早期警戒グループリーダー 情報セキュリティアナリスト 満永拓邦氏

 その間のセキュリティ脅威の内容も大きく変化。経済産業省の委託を受け、ネットを介して発生する侵入やサービス妨害などのトラブルについて調査、対策の検討などを中立な立場で取り組む一般社団法人JPCERTコーディネーションセンターの早期警戒グループリーダーで情報セキュリティアナリストの満永拓邦氏が以下のように指摘する。

 「Windows XPの提供が始まった2001年当時は現在のようなサイトを見ただけで感染するウェブ型マルウェア、Anonymousのような特定の思想を持った攻撃を行う集団などは存在していなかった。また、マルウェアの分析、調査を行った結果、きちんとソフトウェアアップデートを実施している場合は、セキュリティリスクは2%未満に抑えられるなど、常に最新のアップデートをしておくことが不可欠」

  • 国内市場におけるOSの利用状況

  • サポートライフサイクルポリシーに基づいてサポートを終了する

  • 変化するセキュリティの脅威への対応

 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)の技術本部 セキュリティセンター 調査役の加賀谷伸一郎氏も「家に例えると、セキュリティアップデートをしないソフトウェアは壁や窓が壊れた家に住み続けるのと同じようなもの」とセキュリティ面から見て移行は必須であると説明した。

 樋口氏も「(セキュリティ攻撃の質が現在とは異なる時期に発売された)Windows XPは耐震構造ができていない家のようなもの。その後、会社を挙げてセキュリティ対策に取り組んだ結果、現在の“Windows 8”はセキュリティ攻撃が受けにくい構造となっている」とOSの進化とともにセキュリティ対策を取りやすいOSとなっているとアピールした。

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