安全ではなくなった「非Windows」--ソーシャルやクラウド悪用の攻撃も確認

田中好伸 (編集部)

2013-04-26 18:51

 かつてはWindowsが脅威のターゲットであり、LinuxやUNIXは安全とされたが、現在では「非Windows」も安全とは言い切れなくなっているようだ。

 トレンドマイクロは2013年の第1四半期(1~3月)の日本国内と世界規模のセキュリティの動向や傾向を分析した報告書を公開。その中で、「ソーシャル&クラウド」と非Windowsに脅威が拡大している傾向が、世界的にも日本国内でもはっきりと表れたと表現している。

 1~3月にあったサイバー攻撃を振り返って、Linux/UNIXのシステムを破壊して起動不可能にする攻撃に加えて、標的型攻撃に利用されるLinux向けのバックドア型マルウェアなどLinux/UNIXへの深刻な攻撃が顕在化したと説明。ウェブサーバソフトウェア「Apache」の不正モジュールを使用して、ウェブサイトにアクセスしたユーザーを不正サイトに誘導する、新しいウェブ改ざんを国内外で継続して確認された。

 同四半期では、攻撃の拡散に「LINE」や「Twitter」を悪用する攻撃が確認された。LINEを悪用する攻撃は、芸能人などになりすましてユーザーを有料サービスに利用させるサクラのウェブサイトに誘導する。Twitterの悪用では、いわゆる“ブラクラ”のURLを拡散するものであり、WindowsのほかにMacやiOS、Androidなどマルチプラットフォームに被害を与えた。

 モバイル分野では、正規のアプリストアであるGoogle Playを偽装して、不正なアプリを配布する事例が確認された。正規のアプリストアに不正アプリを混入する事例も確認された。同社では、アプリのインストールする時は、正規のアプリストアを利用することに加えて、セキュリティ対策のアプリを導入するなどの注意も必要と提言している。

 同四半期は、オンラインの銀行詐欺ツールが日本国内への上陸を確認。オンライン銀行のIDやパスワードを盗み取り、不正に金銭を取得するツールでの被害が国内で継続的に確認されたことで、今後は国内でも定番化が予想されるとみている。海外では、スマートフォンやタブレットを対象にしたフィッシング詐欺サイトを複数発見した。中でも金融機関を騙るサイトが最多だったという。

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