IDC Japanの2013~2017年の国内サーバ市場予測によると、2013年の国内サーバ市場は前年から5.6%減の4205億円の見込みという。2012~2017年の同市場における年平均成長率(CAGR)は3.3%のマイナスと予測している。
2012年の同市場はメインフレームが好調であり、メインフレーム市場は2008年以来のプラス成長となった。国内のx86サーバ市場は、小幅ながら3年連続のプラス成長だった。RISCとIA64サーバ市場は、2011年のスーパーコンピュータ「京」出荷の反動から大幅なマイナス。全体的には、「京」の反動があったが好調なメインフレームに支えられて、小幅な縮小となった。
2013年の国内サーバ市場は、5.6%の縮小を予測している。メインフレーム市場は大型案件が集中した2012年の反動から2ケタのマイナス。x86サーバ市場は2010年から4年連続のプラス成長を予測している。x86サーバ市場は、クラウドとモバイル端末の普及でネットビジネスとITサービス向けの出荷が堅調に推移するとみている。
2012~2017年の国内サーバ市場は、CAGRが3.3%減と予測し、2017年の市場規模は、3761億円になるとみている。今後、国内サーバ市場でのx86サーバの出荷額構成比はさらに上昇して、x86サーバ主体の市場構造に変化していくと予測している。
IDC Japanの都築裕之氏(サーバーリサーチマネージャー)は2012年の国内サーバ市場について「各製品分野の特性がよく表れた」と説明する。「メインフレームは大型案件がある期間に集中する傾向がみられた。x86サーバは、ネットビジネスの拡大とクラウドの普及を背景に、ITサービスと通信業が市場をけん引した」
国内サーバ市場について都築氏は「各製品分野の特性と市場を取り巻く環境変化とユーザー動向で大きな影響を受けている」と表現して、以下のように現況を解説している。
「2011年の東日本大震災を契機に、企業のコスト削減と事業継続計画(BCP)への関心が高まりを見せており、クラウド利用を含めて、より低コストかつ安全で、柔軟性と即応性のあるシステムへの期待が高くなっている」
都築氏は、サーバベンダーに対して「従来のビジネスモデルに固執することなく、変化する市場とユーザーの期待に応えるべく、ビジネス変革に取り組むべきである」と提言している。
2008~2017年の国際サーバ市場の推移(出典:IDC Japan)