日本IBM、BIツールCognosを用いたビッグデータ活用を強化へ

ZDNET Japan Staff

2013-06-13 11:14

 日本IBMは6月12日、企業のビジネスインテリジェンス(BI)基盤を提供するソフトウェア製品の最新版「IBM Cognos Business Intelligence V10.2.1」を発表し、同日から直販とパートナー経由で販売すると発表した。ビッグデータを活用できるようにするため、主要なHadoop基盤との連携を可能にしたほか、データベースのメモリ利用効率の向上など、さまざまな機能を強化した。

 V10.2.1の開発にあたっては、BIを活用する顧客からの要望に基づき、分析対象データの量や種類の増加や、分析結果を表示するニーズの多様化、処理のさらなる高速化のためのパフォーマンスの強化などを心掛けたという。

 いわゆるビッグデータ活用への施策として、Hadoop上にある多様なデータやストリームコンピューティングによるリアルタイムデータとの連携を実現した。IBMのHadoop基盤を構築するソフトウェア製品「IBM InfoSphere BigInsights」、Cloudera、Houstonworks、Amazon Elastic MapReduceなど、主要なHadoop基盤との連携が可能になった。分析の対象となるデータを大幅に増やし、より多様で深い洞察を生み出せるようにしたとのこと。

 また、より多角的で視覚的に表示する機能では、ユーザーの多様化する要望を実現する機能「RAVE(Rapidly Adaptive Visualization Engine)」を実装した。RAVEは、IBMの視覚化におけるテクノロジのノウハウを集めたエンジンで、大量データを可視化し、より視覚的に表現するために利用するものだ。

CognosBIv10.2.1_サンプル画面1_RAVE機能実装ダッシュボード
CognosBIv10.2.1_サンプル画面1_RAVE機能実装ダッシュボード

 また、視覚化に関するJava Scriptの表記法である「VizJSON(visualization JavaScript Object Notation)」に対応。あらかじめ登録されているグラフ表記に加え、ユーザーによる新規のグラフやグラフ属性の柔軟な追加、カスタマイズもできる。業界別などさまざまなニーズに特化した表現や、ウェブとモバイルでインターフェースの差異をなくしたとしている。

 パフォーマンス面では、インメモリDB上のデータをBI分析のために呼び出すための機能「Dynamic Cube」を拡張。メモリ使用効率の最適化などによる処理の高速化を図った。

 特に、データベースソフトウェア「IBM DB2」の最新版「V10.5」が搭載する高速データ分析処理機能「BLUアクセラレーター」との連携により、従来のDB2(V10.1)との連携に比べ、分析のためのデータの読み込み速度は18倍、クリックしてから結果を表示するまでの応答時間は14倍にそれぞれ高速化したと日本IBMは説明している。

 さらに、オフラインでも利用できるレポート機能「Activeレポート」の構造や圧縮技術を改良。従来の10倍のデータを用いたレポートの作成が可能になったほか、モバイル端末から読み込むレポートの表示速度を向上させたという。

 日本IBMは、社内外にある膨大なデータを多角的に分析し、迅速かつ正確に意思決定し、ビジネスに役立てたいと考える企業や組織を支援するとしている。

 ライセンス料金は、100人のウェブおよびモバイルレポート参照ユーザーで1526万3535円。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

  4. クラウドコンピューティング

    Snowflakeを例に徹底解説!迅速&柔軟な企業経営に欠かせない、データ統合基盤活用のポイント

  5. ビジネスアプリケーション

    AI活用の上手い下手がビジネスを左右する!データ&AIが生み出す新しい顧客体験へ

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]