リクルート流ビッグデータ活用術

“ビッグデータ分析”は本当に必要か? - (page 3)

吉永恵一(リクルート住まいカンパニー データサイエンティスト) 

2013-06-18 07:30

データ結合による消費者理解の促進

 今回は、上述のように、ビッグデータを定量的に分析する際に、必ずしも膨大なデータをそのまま分析する必要はないということをランダム・サンプリングを基に説明しました。最後に、異なるデータソース同士を有機的に結び付けて分析する昨今のトレンドにも少し触れたいと思います。

 最近、O2O(Online to Offline)など、ウェブ上にあるオンラインと店舗などのオフラインという異なるデータ同士を結び付けて、個々の消費者の購買機会を的確にとらえようとする試みや、ウェブアクセスログとアンケートデータを紐づけて、ウェブ行動と心理の情報を紐づけようとする動きも出てきています。

 いずれも、個々の消費者をよりよく理解し、それら消費者のニーズにパーソナライズ化したサービスを提供することに一役買っています。しかし、店舗で購買するといったオフラインの行動を取ったり、アンケートに回答したりしている消費者は、全体をランダムサンプリングした結果ではないので、全体の結果を代表していると考えるのは危険です。現状、SUUMOでも、このような異なるデータ同士を結び付けた分析は、定量的な判断に用いるのではなく、N=1を深掘りし、消費者をより良く理解する、という定性的なものにとどめています。

 次回は、このような定性的な分析から定量的な分析を経て、最終的にどのように施策に接続しているのかを、SUUMOの分析事例を基にお話ししたいと思います。

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吉永 恵一
株式会社 リクルート 住まいカンパニー

SUUMOネット横断企画部 データマーケティングチーム チームリーダー 兼 シニア・データサイエンティスト。2010年10月、株式会社リクルートに入社。インターネット・マーケティング室(現 株式会社 リクルート テクノロジーズ)にて、需要予測や広告予算の最適化、リコメンデーションなどの分析ソリューションを開発し、各カンパニーに展開。2012年4月より、住宅カンパニー(現 株式会社 リクルート 住まいカンパニー)にて、カスタマー戦略の企画・立案やビッグデータを活用した各種分析ソリューションの実運用への落とし込みを実施。また、社内外において、マーケティング、分析講座などの講師を担当。日本消費者行動研究学会学術会員。経営科学系研究部会連合協議会主催によるデータ解析コンペティションにて、2009年度 奨励賞、2010年度 殊勲賞 受賞

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