NEC、SDN事業を強化--戦略本部を設立、10月からサービスを提供

田中好伸 (編集部)

2013-07-11 15:34

 NECは、ネットワークをソフトウェアで制御する概念であるSDN(Software-Defined Networking)事業を強化する。NECの製品やサービスにパートナー企業の製品などを組み合わせて「NEC SDN Solutions」の名称で体系化し、順次拡充していく。7月10日に発表した。

 NECはSDNを構成する技術であり、ネットワークを制御する標準的なプロトコルである「OpenFlow」をベースに「Programmable Flow」を開発し、製品化している。すでに国内外100社以上がNECのSDN関連製品を導入したと説明している。

 この4月にはSDN戦略本部を設立した。SDN事業戦略の立案や、各市場向けのシステム構築サービスや製品を開発する関連部門を統括して、SDN事業を強化している。

 6月には、SDNテクニカルマーケティングセンターをNECヨーロッパ内に設立した。世界の通信事業者に向けたSDN関連システムの開発や提案、システムの構築やサポートを強化する。加えて、欧州電気通信標準化機構(ETSI)に設立されたネットワーク仮想化の業界標準を策定する検討グループ(Industry Specification Group for Network Functions Virtualization:ISG NFV)などの標準化団体にも積極的に参画しているという。

 SDN Solutionsの第1弾として、(1)拠点・データセンター接続最適化、(2)オフィスLAN最適化、(3)アクセス認証、(4)IaaS運用自動化、(5)データセンターネットワーク統合――といったソリューションを10月から提供する。

 (1)の拠点・データセンター接続最適化ソリューションは、拠点とデータセンター、データセンターとデータセンターの間の通信回線の性能や通信状態の監視情報と、利用時間帯などの管理機能をもとに、通信回線の利用効率とルートを最適化する。

 (2)のオフィスLAN最適化ソリューションは、部門ごとに構築されたオフィスのLAN環境をネットワーク仮想化で統合し、ネットワーク機器の集約と集中管理、見える化を図る。LANを最適化することで。拠点新設やレイアウト変更などにも迅速に対応できるとメリットを説明する。店舗や工場などにも適用できる。

 (3)のアクセス認証ソリューションは、一元化された認証情報で利用者単位、端末単位で認証し、部門やプロジェクトなどグループ単位に分離された仮想ネットワークを構築する。ネットワークのアクセス制御でセキュリティを強化するとともに、組織異動に伴うセキュリティルールの設定や変更を自動化する。

 (4)のIaaS運用自動化ソリューションは、IaaSを構成するリソースをプール化して一元管理し、利用者に提供するサービスのリソース組み合わせや運用を自動化する。(5)のデータセンターネットワーク統合ソリューションは、既存システムのネットワーク統合、データセンターへの統合の際に、IPアドレスなどネットワーク設定を変更することなく、システムを移行、統合するためのネットワーク仮想化システムを提供する。


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