アプリ開発者の目から見た「iOS 7」

Gregory Dean (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子 2013年07月18日 07時45分

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 Appleは「iOS 7」向けの新たなソフトウェア開発キット(SDK)を発表した。新たな機能と能力をサポートしたこのツールによって開発者に素晴らしい力が与えられるはずだ。

 Appleは最近、「iPhone」や「iPad」「iPod touch」といった同社の主力モバイル機器向けの先駆的なOSの、「よりシンプルで、より便利で、より楽しめる」新バージョンを発表した。「先駆的な」という表現は通常の場合、前人未踏の領域に進出する際や、未知のものごとに率先して取り組む際に用いられる。Appleは先進的なハードウェアとソフトウェアによって革新を率いてきた数々の実績を有しており、それに対する高い評価も得ている。Appleからの発表があるたびに人々が期待を膨らませ、その話題で盛り上がるのは、同社のこうした実績があるためなのだ。


 Appleの開発者向け年次イベントである「Worldwide Developers Conference」(WWDC)の数週間前、同社が何を発表するのかといううわさが世間を駆けめぐり始めた。ほとんどのうわさは、一部の真実と純粋な推測が入り交じったものだったが、同イベント前に流れたうわさのいくつかは単純に、複数の新機能に加えて、ある種の機能拡張を望む気持ちから生み出されたものであった。われわれが望んでいる機能のいくつかは、他のデバイスで既に実現されており、Apple製品の愛用者であればうらやましく感じられるものである。

 Appleのモバイルデバイスは今や、コンシューマーにとって唯一の選択肢ではなくなっている。そのような状況のなか、競合他社の製品群に未搭載の機能や特長でエンドユーザーに感銘を与えることが難しくなってきている。米国時間6月10日にWWDCにてiOS 7が発表された際、場の盛り上がりに欠けていたのもパラダイムシフトが起こりつつある表れだったのかもしれない。この発表は、開発者やエンドユーザーのコミュニティーが抱いていた期待を上回るには至らず、辛うじて期待に応えられたというのが精一杯の感想だった。おそらくAppleは水準を上げすぎてしまったため、あっと言わせるようなイノベーションを生み出すことが難しくなってしまったのだろう。これは開発者にとってどういった意味を持っているのだろうか?テクノロジがどれだけ進歩したとしても、われわれ開発者はAppleのモバイル機器が持つ素晴らしい機能をあますところなく活用するiOSアプリを開発し続ける必要がある。さらに、変化を積極的に受け入れ、前に向かって突き進んでいく必要もある。

新たな武器

 勢いを得るのも大事だが、勢いを失わないようにするのはもっと大事だ。そして、勢いを失わないようにするには、大衆の声に耳を傾ける必要がある。しかも広い心を持って、ユーザーコミュニティーの声に耳を傾け、そこから学ぼうとする姿勢が必要なのだ。Appleは開発者やエンドユーザーからのフィードバックを糧にして成長するのである。このためAppleは、iOS 7向けの新しいSDKを発表した。新たな機能と能力をサポートしたこの武器によって開発者を支援しようというわけだ。以下は、iOS 7で追加された機能の抜粋である(順不同)。

  • ピアツーピア接続:新たに追加された「Multipeer Connectivity」フレームワークを用いることで、ドキュメントや写真といったファイルを、他のピアツーピアデバイスと共有できるiOSアプリを開発できるようになる。
  • ハードウェアアクセラレータを使用したアニメーション:新たに追加された「Sprite Kit」フレームワークを用いることで、複雑なアニメーションを取り入れたゲームアプリの開発が可能になる。
  • ゲームコントローラの認識及び接続:新たに追加された「Game Controller」フレームワークを用いることで、物理的に、あるいはBluetooth経由で接続されたゲームコントローラハードウェアの認識と設定が可能になる。

 既存フレームワークの多くには著しい機能拡張が施されている。最も大きな変更が加えられているのは「UIKit」フレームワークだ。UIKitフレームワークにはルックアンドフィール全般を責務とするクラス群が保持されている点、およびiOS 7のインターフェースがまったく新たにデザインし直された点を考えると、そのことは納得できるはずだ。以下は、既存のiOSフレームワークに加えられた変更の抜粋である。

  • 「Store Kit」フレームワーク:iOSデバイスと「iCloud」間のパスワード同期機能をサポートするようになった。
  • 「Pass Kit」フレームワーク:有効期限や、内部のメタデータをサポートするとともに、「Passbook」用のパスを動的に有効化/無効化するという待ち望まれていた機能を提供するようになった。
  • 「Message UI」フレームワーク:メッセージへのファイル添付機能をサポートするようになった。

 Appleの開発者向けウェブサイトでは、iOS 7へのアップデートに伴うAPIの変更すべてが確認できる。

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