ポストPC市場がPC市場と同じ道をたどり、発展が頭打ちになった場合、大手IT企業はどこに向かって行くのだろうか?その時にはどのような道を見つけられるのだろうか?
PCは、「iPhone」によって、そしてその次に登場した「iPad」によって加速化されたポストPCデバイスの台頭でその王座を奪われるまで、数十年にわたって最高の時を味わってきた。しかし、そのポストPCデバイスも、市場が早くも飽和する兆候を見せてきたことで、利益を追い求め続ける大手IT企業の行く手に暗雲が垂れ込めてきた。
では、PC業界の発展が頭打ちになり、人々は既にポストPCデバイスを手にしているのであれば、次なる道はどこにあるのだろうか?
ゲームコンソール
筆者は、ゲームコンソールが元祖ポストPCデバイスであったと考えている。その長きにわたる消耗戦によって、高い利幅を誇っていたゲーム用PCが脇へと追いやられ、名の通ったPC関連企業は今やゲームコンソール市場に向かっている。
特にAMDは、この実り多い市場を自ら開拓し、次世代ハードウェアのためのチップ供給者として大手ゲームコンソールメーカーすべてと契約を締結している。こうした契約は、長期にわたってAMDに大きな売り上げをもたらすだろう。
ゲームコンソールがゲーム用のプラットフォームからメディアハブへと変貌を遂げるなか、未来を形作るうえでの影響力と力は、その重要性とともに高まっていくだろう。筆者は、「Xbox One」や「PlayStation 4」「Wii U」を置き換えるような製品が登場する頃までに、AMDがNVIDIAやARM、Qualcommといった企業は言うに及ばず、チップ界の巨人であるIntelとの激しい競争に直面するだろうと考えている。
ウェアラブルテクノロジ
うわさを真に受けるのであれば、ウェアラブルデバイスを開発している会社は数多くある。その先鋒はAppleの「iWatch」だが、Microsoftも腕に装着するコンピュータを開発中であるといううわさがある。
次に、「Google Glass」というテクノロジ製品に引き続き、「iGlass」や「Kindle Glass」といった同種のさまざまなデバイスが登場するのは間違いない。腕に装着するコンピュータと同様に、眼鏡型のコンピュータは目新しいアイデアではないものの、コミックの世界で用いられているこういったデバイスを大衆市場に向けて製品化した例はまだない。
われわれは一方の手にスマートフォン、そしてもう一方の手にタブレットを持っているかもしれないが、テクノロジ製品を身に付けられる場所として顔と腕もある。
これがわくわくする分野であるのは間違いないものの、この種のデバイスを実証できる市場が存在していないため、ほとんど未開拓の分野となっている。
しかし、ウェアラブルテクノロジに関して筆者が考えている最大の障壁は、腕時計や眼鏡/サングラスといった既存のものとフィットし(あるいは置き換えることができ)、かつファッショナブルなものとなっていなければならないという点だ。世の中に出回っているコンシューマー向け電子機器の多くを見ると、IT企業がすぐにファッションの何たるかを理解するようになるとは思えない。