4. スタッフの抵抗
安価な分散物理サーバ環境で育ったアプリケーション開発者は、開発作業に専用の物理サーバを用意するというやり方を好む。これを変えるには、ITスタッフの上司や最高情報責任者(CIO)が長い時間をかけて努力していく必要があり、その過程でIT文化も変化していく必要がある。
5. ベンダーの抵抗
ユーザーが使っているソフトウェアを出しているあらゆるソフトウェアベンダーは、そのアプリケーションの性能を最適化するための「ベストプラクティス」を持っている。残念ながら、それらのベストプラクティスの多くは、物理サーバを必要とし、仮想環境が作り出す共有環境を想定していない。
6. ビッグデータの台頭
ビッグデータや、ビッグデータの処理に必要な並列計算は、仮想化にはあまり向いておらず、専用のマシンで実行する必要がある。
7. 緊急度が高いほかのプロジェクト
ビッグデータの台頭や、IT部門に要求される途切れることのない新プロジェクトの波が、すぐに仕事のスケジュールをいっぱいにしてしまう。このため多くの場合、仮想化は時間のあるときにやればよい、少しずつ裏で進める「後回しにしてもいいもの」になってしまう。
さまざまな変化が起こっているにもかかわらず、仮想化はデータセンターの未来への進化と、クラウド化に向けての基盤となる要素であり、原動力だ。一部の組織がほかの組織よりも早く仮想化を達成するということはあるだろうが、そこから逃れられる組織などない。ITマネージャーやストラテジストにとって重要なことは、仮想化の実現によってどのような利益が得られ、最善の結果を出すための障害が何であり、成果を最大にしながらリスクを最小化するにはどうすればいいかを知ることだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。