ノークリサーチは10月2日、中堅・中小企業におけるCRMの利用実態に関する調査結果を発表した。シェアは上位からセールスフォース・ドットコム、日本マイクロソフト、弥生の順。スマートフォンやタブレットからのCRM利用は前年よりもわずかに増えた。また、CRM利用において「データ連携」を重視するユーザーが多いなどの実態が明らかになった。
導入済みの製品/サービスのうち最も主要なもの n=117
ノークリサーチは、CRMを「営業支援システムも含めた顧客情報を管理するアプリケーション」と定義している。2013年のCRMカテゴリの商品シェアはセールスフォースの「Salesforce CRM /Sales Cloud / Service Cloud」(12.0%)、マイクロソフトの「Microsoft Dynamics CRM」(8.5%)、弥生の「弥生顧客」(8.5%)、オラクルの「Oracle Fusion CRM」(6.8%)などが上位を占める結果となった。「各製品のシェア数値が小さく、差がわずかであるため、製品サービスの勢力図は大きく変化していない」(ノークリサーチ)
最も主要な製品/サービスを利用する際の端末環境(いくつでも)、n=117
「(CRM)導入済みの製品/サービスのうち最も主要なもの」の端末環境に関する設問では、「デスクトップ型PC」(83.8%)、「ノート型PC、据え置き利用」(64.1%)、「ノート型PC、持ち運び利用」(39.3%)「スマートフォン」(10.3%)、「タブレット型端末」(8.5%)という結果だった。スマートフォンについては2012年では9.5%、から10.3%、タブレット型端末については2012年の8.4%から8.5%といずれも微増となった。
ノークリサーチは「スマートデバイスからの利用が増加傾向にある。CRMにおいては、一般消費者にクーポンなどの販促情報を配布してフィードバックを得るなどの不特定多数のユーザーよる利用するケースなどが発展する兆し見せる」と指摘。端末、使用者を想定した利用シーンの策定が重要であるとした。
CRMの活用における今後の指針または重視事項(いくつでも)、n=117
CRMの活用における今後の指針または重視事項に関する設問では、「さまざまな業務システムとの連携」(43.6%)、「グループウェアのスケジューラとの連携」(33.3%)、「自社内で作成/運用する簡易アプリケーションのベースとしての役割」(26.5%)、「メールとの連携」(20.5%)などに回答が集まった。
ノークリサーチは、「CRMは、営業支援であれば販売管理システム、案件管理であればスケジューラ、顧客サポートであればメールなど、他の業務システムとの連携が必要となる場面が多い」とCRMの連携機能のニーズが高まっている点を指摘した。
また同社は、「CRMはイベントやプロモーションで一部利用するシステムの基盤としても利用しやすいため、『自社内で作成/運用する管理アプリケーションのベースとしての役割』を挙げる割合も3割弱存在している」とし、既存のCRM機能からシステム基盤として、利用方法が多様化しているとした。
調査は2013年7月に、売上高500億円未満の国内中堅・中小企業の情報システム部門に対して行った。