時間を短縮できたのは、サーバファームウェアの更新、BIOSの設定、管理プロセッサの特定といった作業だ。これまで手作業で行わざるをえなかったこうしたハードウェアにかかわる設定作業をテンプレートで自動化できたことが大きいという。
(3)のAPIを使った連携や管理は、運用管理ツール群「VMware vCenter」やIaaS構築管理ソフトウェア「OpenStack」との連携、REST APIのサポートなどだ。vCenterとの連携では、OneViewが取得できるハードウェア情報やアラートなどを「vSphere Web Client」内に表示するといったことが可能だ。「KVM」や「Hyper-V」といったVMware以外の仮想化環境の管理ツールにも今後対応していく。
OpenStackとの連携では、OpenStackベースの「HP CloudSystem」でクラウド環境の統合管理を可能にする予定という。REST APIサポートでは「限定的なものではなく、GUI上でできるすべての操作についてAPI経由で制御できるようになっている」(中井氏)ことが大きな特徴だ。
このため、外部ツールを使った自動処理も容易にできるようになっている。実際、先行して利用している顧客のケースでは、コールセンターシステムをデータセンター12拠点に構築する際に、66日かかっていたデプロイ作業をわずか1日で完了させることができたという。「従来は2拠点へのデプロイだけで11日かかっていたが、テンプレートとAPI経由のジョブスクリプトを使って作業全体を自動化し、劇的な効果を得た」(中井氏)
OneViewの価格は、1サーバライセンス(3年間で24時間365日サポート付き)の場合で14万3850円。既存のInsight Softwareからのアップグレードの場合で9万2400円。VMware上で稼働する仮想アプライアンスとして提供される。将来的には、他プラットフォームへの対応や物理アプライアンスでの提供も予定している。
「Map View」機能でITリソースの構成を確認できる