大元隆志のワークシフト論

アラフォー社員が考えるべき4つの働き方(後編) - (page 2)

大元隆志(ITビジネスアナリスト)

2013-12-09 07:30

 私の思うパラレルキャリアとは、社外活動を通して、本業の会社に貢献する「スパイラル(螺旋)」の構造を作り出すことだ。

 現代はソーシャルメディアの普及で社外の人との関わりを維持することが簡単になった。

 ソーシャルメディアを活用し、個人の力量で自社の認知向上へとつなげることや、新たな顧客を開拓することも可能になった。

 社外の活動を頑張れば、本業にも好影響をもたらす。本業で好影響が出れば、さらに社外活動もやりやすくなるという「好循環のスパイラル」を生みだす活動だ。

 私の例で考えると、2012年にある編集者から「ノマド馬鹿」という本を書かないかとのオファーを受けた。しかし、私が「ノマド馬鹿」という本を書いたところで、本業の会社のイメージアップなどにはつながらない。

 たとえプライベートな活動であったとしても、そこに労力をかけるべきかどうかは、本業への貢献度を必ず考慮している。もし、「副業」的観点であれば、個人的な収入だけを考えて引き受けていたかもしれない。

 軸足はあくまで本業の会社におき、社外活動であっても何らかの形で本業に結びつけることを意識し、社外との関わりを作る。

 この考えの利点は、従業員視点では自律力を高め、企業側にとっても会社の価値創造につながっているのであれば、両者ともに利点があることになり得る。

 人生80年、70歳まで働き続けなければいけない時代が訪れようとしている。サラリーマンとして生きるという道を選んだとしても、自分で「働くことの意味」を考え、キャリアパスをしっかり持っておかなければならない時代であることは間違いない。

 企業にとっても、「管理職」のポストを与えることができないのならば、従来とは異なるキャリアパスを準備することは、企業の活力を維持するためにも重要な施策となるだろう。

大元隆志
通信事業者のインフラ設計、提案、企画を13年経験。異なるレイヤの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。『ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦』など著書多数。

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