松岡功の一言もの申す

ITで解消したい食材の偽装表示問題 - (page 2)

松岡功

2013-12-05 16:38

 2003年に農林水産省が牛肉に対して適用した制度として一躍注目されるようになった食品トレーサビリティは、その後、牛肉以外の食品についても取り組みが行われており、スマートフォンなどを使って消費者が直接、確認できる仕組みも実用化されてきている。この仕組みをもっと推し進めてみてはどうだろうか。

 例えば、メニュー表示にトレーサビリティの情報を入手できるバーコードを添付し、消費者が必要に応じてスマートフォンでそれを確認するといった具合だ。偽装表示を疑うというより、むしろその食材のことをよく知って食べる楽しみが増すような工夫をするのが望ましい。

 もちろん、コストがかかる話なので、積極的に取り組む企業や団体には、行政サイドから助成金を出すなどの取り組みが必要になるだろう。一方で、不正な情報操作には厳しい罰則を科す法整備も不可欠だと考える。

 ITは何でもガラス張りにできるという本質を持つ。そんなITを活用した食品トレーサビリティの拡充は、疑惑が蔓延する食材の偽装表示問題に打ってつけの対策ではないだろうか。しかも、単なるチェックの手段ではなく、食を一層楽しめる仕組みに発展させていってもらいたいものである。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    マンガで解説!情シスが悩む「Microsoft 365/Copilot」の有効活用に役立つ支援策

  2. 運用管理

    データベース管理の課題を一挙に解決!効率化と柔軟性を両立する新しいアプローチとは

  3. セキュリティ

    セキュリティに対する意識や対策状況の違いが浮き彫り--日米豪における情報セキュリティの実態を調査

  4. セキュリティ

    もはや安全ではないVPN--最新動向に見る「中小企業がランサムウェア被害に遭いやすい」理由

  5. ビジネスアプリケーション

    AIエージェントの課題に対応、生成AIの活用を推進するための5つのデータガバナンス戦略

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]