IDC Japanの国内産業分野別IT市場調査によると、景気回復から企業の業績が改善したことで多くの企業でIT支出が伸びているという。2013年で見ると、官公庁や教育を含む多くの産業でIT支出はプラス成長になると予測している。
2013年の国内IT市場全体は0.1%増の13兆8288億円を見込んでいる。2012~2017年の年平均成長率は0.2%、2017年の市場規模を13兆9690億円と予測した。
2013年を産業分野別に見ると、組立製造が2.1%増の1兆3902億円、プロセス製造は2.6%増の7381億円が見込まれている。製造業は、円安の影響から輸出を中心とする企業で業績が回復していることが影響している。情報サービス業は3.6%増の7927億円が見込まれる。スマートフォンやタブレット、電子書籍などの普及でネットビジネス向けインフラが拡充することでIT支出が伸びると説明している。
2013年のIT支出がマイナスとなるのが、通信やメディア、消費者向けの分野になる。通信やメディアでは4.8%減の1兆9722億円が見込まれる。通信事業者のLTEサービス向けの無線インフラの整備が2012年に前倒しされてピークアウトしたため、2013年はマイナス成長となった。消費者向けは3.8%減の2兆4718億円。タブレットやスマートフォンなどとの競合でPC市場が縮小傾向にあり成長が鈍化した。

2012~2015年 国内IT市場 主要産業の前年比成長率の推移予測(金融は銀行や保険、証券その他金融、製造は組立製造、プロセス製造、流通は小売、卸売の合計) IDC Japan提供