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Electronic Arts創業者が語るエンターテインメントの将来

末岡洋子

2013-12-13 07:30

 モバイル、ソーシャル、アプリストア……約10年の間にハイテク分野を席巻したトレンドが、少しずつ各業界を変えている。メディア、エンターテインメント業界も例外ではない。ビデオゲーム大手Electronic Arts(EA)を創業したTrip Hawkinsが11月中旬、モバイルイベントにて業界のトレンド、課題とチャンス、そして自身がフォーカスしているという教育分野の取り組みについて語った。

品質や性能よりも便利さを選ぶ時代

 Hawkinsはまず、全体のトレンドとして「ソーシャルがもたらす価値」「カジュアルで利用しやすいデバイス」「グローバルマーケット」を挙げる。これらは独立したトレンドではなく、相互に関係している。モバイルはソーシャルの価値をメディアにもたらすのを大きく後押しした。

 「Facebookが登場する前から、携帯電話はソーシャルコンピュータだと思っていた」とHawkins。AppleがiPhoneでやったことはモバイルの「コンテンツプラットフォーム化」だ。現在、これがタブレットに拡大しているところで、今後スマートTVに向かうトレンドは避けられないとみる。「モバイルはSNSをはじめ、さまざまな製品やサービスを誘発した」「メディアとくくられている全てのセグメントが再構築される」と予言する。


Trip Hawkins

 これは、見方によってはゲーム業界にとって悪い知らせとなる。「初期にビデオゲームをプレイした人がシニア層に近付きつつあり、子どもたちはデジタルネイティブ。ビデオゲームで遊ばないかもしれない」とHawkins。「50年もすれば業界は終わっているという懸念を聞くが、(このままでは)近付きつつある」

 トレンドの4つ目としてHawkinsが挙げたのは「崩壊」(Disruption)だ。これを技術面で可能にしているのがクラウド、ウェブ(ブラウザ)などだ。ここでHawkinsが、強調するのは「便利さ」だ。「ここ数年、テーマはソーシャルによる価値ではない、便利さだ」とHawkins。例として挙げたのが携帯電話だ。固定電話より音声品質が悪くても、消費者はいつでもどこでも電話をかけられる携帯電話を選んでいる。YouTubeと映画館の関係も同様だ。

 われわれの多くが、大画面でみる高クオリティの映画よりも、すぐにその場でアクセスできる動画コンテンツで満足している。「これまで性能を気にしていた顧客が、性能が悪くても便利さを提供する新しい製品を受け入れている」(Hawkins)。これに新規顧客が加わり、受け入れを加速し、崩壊につながる――。Hawkinsは触れなかったが、モバイルアプリとして配信されるゲームもその例といえるだろう。その結果、「すべてのメディアで品質、忠実度、性能が落ちた一方で、便利さが改善している」と述べる。

 これにクラウドとウェブ(ブラウザ)が実現する「無料」が加わる。好きな端末でモバイルや固定、公衆WiFiなどさまざまなネットワークを利用して、さまざまなサービスを試すことができる環境が整っている。「無料で試せる、これはどのマーケティングよりも効果がある」といい、自らの例として「Microsoft Outlook」から「Gmail」に乗り換えた背景を説明した。「機能はOutlookほど豊富ではないが、使えるレベル」であり、「これに便利さと無料が加わる」とHawkins。

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