筆者はBallmer氏に対して、2008年に米Yahooを買収するところであった(あるいは最終的に買収から手を引いた)という件について後悔しているか、あるいは過ちだと感じているのかを尋ねた。
同氏の答えは「いずれであったとしても、長期的な展望という観点から見ると、会社の運命にとってはさほど大きな出来事ではなかったと考えている」というものであった。
「われわれにとって重要なのは機械学習や検索といった分野における能力を培うことだと私は考えている。このため、その道を選択し、進んでいくうえで(Microsoftが検索における協力関係を結ぼうとしていた)Yahooのスケールとボリュームが重要だったのだ。それは疑う余地のないことだ」(Ballmer氏)
Yahooの買収に向けて動くという決断は「経済面における大きな相乗効果と、多くの製品開発を意図したものだった」とBallmer氏は述べた。しかしその一方で「後付けで振り返ってみると、市場の崩壊があったため、買収しなかったのは本当に賢い決断だったと言える。もしも買収していたとしたら、実に愚かな行為に見えたはずだ」とも述べた。
Ballmer氏はMicrosoftが手を引いた後、YahooがGoogleとの提携を模索した点にも言及した。しかしこれについては、独占禁止法への抵触という観点から当局が認めそうになかった。もしも認められていたらという質問に対して同氏は、「うーん、われわれがどのような位置に付けていたのかなんて誰にも分からないだろう」と語った。
Yahooとの取引は450億ドルという大きな規模であったものの、同氏は「会社の長期的な展望という点で、トップ10に入る出来事であったとは思えない」とも語った。
しかしその一方でBallmer氏は、同社が「Xbox」で収益を上げられるようになるまでに長い期間を要した点についても悔いが残っていると述べた。Microsoftは2001年に初めて「Xbox」を発売し、その次には2005年に「Xbox 360」を発売している。ある試算によると、同社は2010年あたりまでコンソールを販売するごとに損失が発生するという状況にあったという。
しかしBallmer氏は、Xboxでリビングルームに進出するという戦略は正しかったと今でも信じていると語った。同氏は、この製品の創造と開発において、チームに大きな自由を与えたことを後悔していないのである。
Ballmer氏は「とは言うものの、やるべきことは短期的な利益ではなく、長期的な利益を上げることである」と述べ、「このため、Xboxがたどってきた道筋には悔いが残るものの、それでも大きな資産を構築できた。確かにもう少しコストをかけずにできたと思っている。しかしわれわれは築き上げた。われわれは迷うことなく重要な資産の構築を成し遂げたのだ」と述べた。
Ballmer氏は、同社が「Xbox One」で現在の位置に付けている点を評してよい気分だとも述べた。
Ballmer氏は「Windows 8」と同プラットフォームを支える「Hyper-V」について言及し、「われわれは今や、ほとんど完全な『Windows』システムを作り上げている」と指摘し、「こういった基盤を作り上げたことに喜びを感じている。熱狂を作り上げたことに喜びを感じている。ただその過程において、Xbox Oneのアーキテクチャにもう少し早く近づけていたらと思っている」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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