アイティフォーは1月21日、同社が販売するデータセンター管理システム(DCIM)「Trellis」のオプション「パワーシステム・マネージャー」の販売を開始した。パワーシステム・マネージャーを加えたTrellisの税別価格は1ラックあたり10万円。1000ラック以上のデータセンター事業者を対象に、今後1年間で5社からの受注を目標としている。
Trellisは米Emersonのネットワークパワー事業部の製品。アイティフォーでは2012年8月から販売している。パワーシステム・マネージャーは、データセンターでサーバやネットワーク機器への電力供給経路をPC画面上に単線結線図で“見える化”する。
データセンターの電源機器は表計算ソフトなどを使って手作業で管理されていることが多く、重大な障害が発生した場合には障害復旧に時間を要したり、作業時の人的ミスで被害を拡大させるなどの問題があった。今回のパワーシステム・マネージャーは電力がどの経路でどの機器に供給されているかをリアルタイムで追跡、障害発生時にはアラートメールを発信するなど即座に障害箇所を特定できる。
単線結線図やフロア図、ラック構成図などの作成は、スペック情報が紐付けられた機器のイラストをドラッグ&ドロップで操作する。1万を超える種類の機器が登録されており、それらを選んで配置していくようになっている。
無停電電源装置(UPS)の定期点検などで電源供給経路の切替が必要な場合には、そのUPSがどの機器と接続されているかの依存関係を簡単に一覧でき、点検準備に要する時間を大幅に短縮できるという。機器のリアルタイム情報は、国内外の電源関連機器メーカーが採用する、産業界で事実上の標準となっている通信プロトコル「Modbus」を使って収集する。
電力がどのような経路でどの機器にどのくらい使われているかをリアルタイムで追跡できる。経路上の機器や配線にエラーが発生したり、消費電力に変化が出たりした場合は、即座に発生箇所を特定して、重大障害の発生リスクを最小化できるとしている。
単線結線図(アイティフォー提供)
Trellisの新オプションとして、もう一つ「モバイルスイート」の販売も開始した。税別価格は132万円から。iPad上で表示や操作が可能となるオプションで、例えば機器障害発生時、iPad上でフロア図やラック構成図を表示させ、該当する機器所在の検索しながら障害発生現場へ急行して、その場でマニュアルや設定情報などあらゆる情報にアクセスしながら迅速な復旧作業を行えるという。