福岡市は、認知症などによる徘徊で行方不明になった高齢者の情報を協力事業者・協力サポーターへメールで一斉配信し、可能な範囲で捜索に協力してもらい、早期発見、早期保護につなげる取り組み「徘徊高齢者捜してメール」を2013年12月10日にスタートした。運用開始から1カ月で4件を配信、うち1件を協力サポーターからの通報で早期保護につなげるという成果を挙げている。情報基盤を提供したパイプドビッツが1月28日に発表した。
「徘徊高齢者捜してメール」で、行方不明になった高齢者の早期発見・早期保護へ
徘徊高齢者捜してメールは、家族からの届出を受けて登録された行方不明高齢者に関する情報を、事前に登録した市民サポーターや、介護事業者、交通事業者、コンビニなどの協力事業者にメールで一斉配信、可能な範囲で捜索に協力してもらい、発見した際にはメール文中の連絡先警察署に通報してもらうことで、早期保護につなげようというもの。市では、「見守り推進プロジェクト」の一環として、このシステムを構築した。
行方不明高齢者や協力者などの情報を管理・配信するシステム基盤には、パイプドビッツのPaaS「スパイラル」が採用されている。このサービスは厳格なセキュリティが求められる官公庁や自治体などの採用例が多く、協力者の個人情報を安全に管理しながら、即時配信機能で緊急配信にも迅速に対応できるとして採用された。
また、スパイラルのデータベースには画像も格納でき、行方不明者の服装や体型に加え、顔写真も扱えるようになっている。行方不明者の家族の同意により、顔写真や実名の公開範囲を制限できるように構築しており、個人情報への配慮と利便性を両立させているという。
協力サポーターは、support@req.jpに空メールを送信し、その後受信したメールに記載されているURLから登録手続きを行うだけで、誰でも登録可能。福岡市では「協力できる範囲で構いません。大切なご家族が行方不明になった時、本人も家族もとても心配だと思います。本人と家族の心配を少しでも和らげるために、多くの方の協力をよろしくお願いいたします」とコメントしている。