空間データが変える未来

屋内測位技術の現在地(前編) --来店した消費者を購買につなげる

高橋睦(野村総合研究所) 2014年02月27日 07時30分

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 前回示したように、“G空間”に期待が高まっている要因の1つが、情報通信技術との融合である。G空間関連技術が製品やサービスに使えるようになったことで、既存ICTサービスの可能性が広がっている。

 G空間で今後の重要技術と期待が高いのが、3次元地図と屋内測位や屋内外シームレス測位だ。両者ともキーワードは「屋内」である。地図も測位も、これまでは屋外が主戦場であったが、徐々に屋内に広がっている。今回は、そのうち屋内測位について解説する。

 屋内測位の進展でサービスが拡張される分野としてまず挙げられるのが「O2O(Online to Offline)」だろう。ネット上(Online)の情報から実店舗(Offline)への来店や購入を促す施策のことで、有効なマーケティング手法として浸透しつつある。顧客の購買行動をフロー化すると、「認知→検討→来店→購買→評価→リピート」となるが、O2Oは“認知”をさせた後、実際の“購買”に結びつけ、さらには“リピート”させるための手法である。

 このフローの中の、「検討→来店=屋外」でのナビゲーションや情報配信と、「来店→購買=屋内」でのナビゲーションと情報配信のそれぞれで測位技術が使われる。いかに屋外のマクロな測位から店舗内、さらには商品へとミクロにつなげていくか、どのタイミングでどのような来店や購買のを与えて、実際の購買とリピートにつなげていくかがサービスの肝であり、ここで屋内測位や位置情報関連技術の果たす役割は大きい。開拓可能性のある分野であり、各社がしのぎを削ってさまざまなサービスを発表している。

 屋内測位は、全地球測位(GPS)の電波が届かない屋内において、設置した送信機から発する信号や保有する端末のセンサなどを利用して消費者の位置を推定する技術である。測位技術の種類によって、位置の検出方法や、測位精度、送信機の有無、信号の種類、信号の伝達範囲などが異なる。

 また、使用する技術やサービスによって使用可能な端末が制限される場合がある。屋内で利用者の位置情報を活用したサービスを実施する場合は、まずサービスの目的に応じてどのような位置検出が必要か、目的に最適な技術は何かを選択し、それに合わせてアプリを構築することになる。測位技術とアプリ構築技術の組み合わせで、いかに店舗の目的に合った位置検出とサービスを顧客に提供できるか、さらに顧客データに付加価値を提供できるかが、サービスの差別化要因になる。

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