--投稿監視システムをどんな分野に応用したいか。
インターネットでは、何が流行するかわかりません。でも、何が流行ってもデータの監視と運用といった作業は必ず発生します。その作業のためにはツールと人手が必要になるので、アウトソーシングした方が効率的です。イー・ガーディアンでは、システムインテグレーターなどの第三者にシステムを貸し出しできる点が大きなアドバンテージになると思います。
ソーシャルゲームも一気に増えましたが、そこでもやはり監視と運用は必須です。さらに最近では、保険業界にも対応しています。保険がネットで販売できるようになったため、代理店がサイトで保険商品についてちゃんと説明しているのかを保険会社がチェックするようになったのです。保険会社が商品情報を更新したタイミングで代理店がその情報を更新したかどうかを 自動でチェックします。
金融業界にも対応しています。消費者金融などで強引な販売がないか、あるいは金利が安く表示されていないか、融資の審査が通りやすいところがあるのはなぜかなど、金融庁が監視を厳しくしています。そこで、サイトの情報はもちろん、アフィリエイターのブログなどへの書き込みも自動的に見つけることを可能です。
児童ポルノ対策も世界的に問題視されており、ISPやクラウドサービス事業者などは常に、自社のサービスのどこかに児童ポルノの 画像が含まれている可能性をリスクとして抱えています。そこでテキストと画像を検出できれば、そのリスクを大きく低減できます。また、E-Tridentを違法URLのチェックに活用するというケースもあります。サイトは画像とテキストの監視で違法なものかどうか判断できるためです。
--今後の展望について教えてください。
われわれの投稿監視は人による処理のみから、システムでの処理に進化し、さらにシステムでテキストの抽出、テキストだけでなく画像の抽出と進化してきました。これらの技術を活用して、ネットの安心や安全を追求したい。
会社については、人や拠点をこれ以上増やそうという気持ちはあまりなく、サービス部門を増やして世界に日本発のサービスを展開していきたい。最近の技術ではテキストと画像を抽出後、画像を自動的にタグ付けできるので、人の行動やプロフィールを知ることも不可能ではなくなってきました。学習システムをそなえたわれわれの画像認識システムなら抽出の精度も上がっていくでしょう。
投稿監視システムはさまざまなジャンルに応用できるので、活用可能な業界、業種を模索中です。今後もシステムやサービスの開発はもちろん、ともに世界をよくしていけるパートナーを積極的に探していきたいと思います。