NECは、ネットワーク上のトラフィックを制御する通信事業者向けのサービス「Traffic Management Solution(TMS)」を強化し、2月21日から販売を開始した。2012年2月からTMSとして提供している「トラフィック削減ソリューション」に、「QoE最大化ソリューション」「トラフィック見える化ソリューション」「TMS to SDNソリューション」を追加した。
強化策の1つとして、データ流量制御やネットワーク特性に合わせ通信セッションごとにシステムパラメータをチューニングする。混雑エリアや混雑時間帯でのパケット詰まりやスループット低下によるユーザーの“体感品質(Quality of Experience:QoE)”劣化を改善できるという。
導入前と比較し、コンテンツのダウンロード時間を約半分に短縮、ユーザーが体感する通信速度を2倍速くできるとアピールする。さらにトラフィック状況に応じて送信量を変動させる「予測型ペーシング技術」により、混雑地点での動画再生中の停止回数を導入前と比較して90%以上減少させ、QoEを改善できるという。
ネットワーク設備の投資対効果(ROI)を最大化を目指するQoE最大化では、、トラフィックの大部分を占める動画ファイルの圧縮とキャッシュ、端末ディスプレイの表示性能に合わせた静止画圧縮、テキスト圧縮を組み合わせ、30%以上のトラフィックを削減できるという。無線基地局を増強せずに、混雑エリアでの同時接続数を200%以上に増加させられるとアピールした。
トラフィック見える化では、従来バッチ処理で1日かかっていたトラフィックの統計情報をリアルタイムに可視化することで、QoE劣化時のみトラフィックを最適化する局所別の対策を可能にするなど、リソースの最適化効果を向上させられるという。
可視化されたトラフィック情報は、TMS to SDNでSDNと連携させ、トラフィック傾向に応じてネットワークを設備設計、再構成することで設備の運用を効率化できるという。また、可視化された特定サービスのサービス品質保証(SLA)情報をもとにSDNと連携し、ネットワークを拡張する。これによりSLAをさらに向上させ、ユーザーや特定サービス提供者の満足度向上を図るという。