日本事務器(以下、NJC)は、今後の事業拡大に向けてシステム開発を迅速化・効率化すべく、サーバ仮想化に加えてSDN(Software-Defined Networking)を取り入れた開発基盤システムを新たに自社開発し、開発環境の構築に要する時間を3時間まで短縮した。ネットワーク仮想化製品を提供したNECが3月12日、発表した。
NJCでは、今後国内でのクラウド利用が拡大していく状況に対応すべく、社内の業務システムと開発環境、およびユーザーに対するサービス提供基盤の3分野全てにおいて、SDNの利活用を進めようとしている。今回は、NJC自身がノウハウを習得し、最新の技術を活用してソリューションを進化させるために、この3分野の中でも開発環境に、まずSDNを取り入れたというもの。
NJCの新たな開発基盤システムは、開発環境の構築自動化や運用管理工数削減を目的として開発された。オープンソースのクラウド基盤ソフトウェア「CloudStack」を活用したほか、SDNを実現する技術の一つであるOpenFlow対応の、NEC「UNIVERGE PFシリーズ」をネットワーク基盤として採用している。こうした構成により、サーバやネットワークに関わる一連の構築作業がほぼ自動化され、必要な時にすぐ利用できる開発環境を実現、サービス提供・運用のスピードアップや、運用コスト削減、リソースの効率的活用を実現した。開発環境全体の構築時間は、以前では機器の調達から環境構築まで1カ月ほどを要したのに対し、サーバの仮想化により約3日、さらにSDNによって約3時間と、約96%の短縮を達成したという。
NJCでは、この社内利用で培ったSDN環境下での開発ノウハウを活かし、顧客に対してもSDNを活用したシステムを提案していく方針で、今後1年間で5社の顧客に対しSDNを活用したシステムを導入していくとしている。