日本オラクル、「MySQL 5.7 Development Milestone Release」を発表

NO BUDGET

2014-04-01 17:03

 日本オラクルは3月31日、世界で最も普及しているオープンソース・データベースの最新版「MySQL 5.7 Development Milestone Release」(DMR)の提供を開始したと発表した。今回のリリースでは、従来よりパフォーマンス、拡張性、信頼性を拡張しながら管理機能も強化し、昨今のWeb、クラウド、組み込みアプリケーションの需要に対応しているという。また、合わせて他のMySQL製品リリースの提供開始と先行提供に関する発表も行った。「MySQL 5.7.4 DMR」は「MySQL Developer Zone」からダウンロードが可能となっている。

 MySQL 5.7.4 DMRでは、レプリケーション(データの複製・同期)、セキュリティ、稼働統計の機能が向上し、「MySQL 5.6」に比べてパフォーマンスと管理性を大幅に改善しているという。強化された主な内容は以下の通り。

性能と拡張性

  • 「MySQL 5.7.4 DMR」ではソリッドステートディスク(SSD)のパフォーマンスとスループットが改善。
  • InnoDBバッファプールとメタデータロッキングの改善により、スループット、パフォーマンス、拡張性が向上。
  • MySQLの準同期レプリケーション性能が向上。
  • SysBench Read-only Point-Selectを使用した1024の接続によるベンチマークテストでは、「MySQL 5.6」の2倍、「MySQL 5.5」の3倍となる512,000 QPSを達成。

管理性

  • オプティマイザーの強化により、より正確なコスト計算が可能。
  • 稼働統計機能の追加などパフォーマンススキーマを強化。
  • AES 256ビット暗号化やパスワード管理の新たなオプションなどセキュリティを改善。
 

 同日に提供が開始された関連ソフトウェアとしては、「MySQL Fabric」のリリース候補版や、「MySQL Cluster 7.4」のプレビュー、「MySQL Workbench 6.1」などがある。MySQL Fabricリリース候補版は「MySQL Utilities 1.4.2」リリース候補版に含まれるもので、データベースをシェアード型に分けて複数のサーバーで分散して運用するシャーディングによって、可用性の高い管理とスケールアウトを行うことが可能となる。MySQL Cluster 7.4ではノード再起動の速度などのパフォーマンスが大幅に向上した。

 MySQL Workbench 6.1は、性能評価やクエリ最適化向けのさらなる機能を提供するもの。これによってMicrosoft SQL Serverからの移行が容易になり、データベースの総所有コストを最大90パーセント削減することが可能とのこと。MySQL Workbench 6.1での主な強化点は以下の通り。

  • 新しいパフォーマンスダッシュボード、レポート
  •  Explainプランの強化により、クエリ性能を最適化
  • 新しいMySQL「SYS」スキーマにより、MySQLパフォーマンススキーマ、稼働統計スキーマなどの閲覧が容易に

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