確かに、日本オラクルはこれから本格的にクラウドビジネスを展開していく大きな転機を迎えている。そうしたタイミングで、これまで同社の日本人社長の既定路線だった日本IBM出身者ではない杉原氏が陣頭指揮を執ることになったのも、同社の転機を象徴しているといえそうだ。
「最大の課題は“Channel First”である」 (ソフォス 纐纈昌嗣 代表取締役社長)

ソフォス 代表取締役社長 纐纈昌嗣氏
ソフォスの代表取締役社長に3月1日付けで就任した 纐纈昌嗣(こうけつ・まさつぐ)氏が先ごろ、記者会見を開いた。冒頭の発言は、同氏が会見で今後の事業戦略を説明した中で、販売とソリューションの展開におけるパートナーとの連携に注力していくことを“Channel First”という言葉で強調したものである。
親会社の英Sophosは1985年に設立されたセキュリティソフトベンダーで、グローバルでの2013年度の売上高は日本円で約400億円、従業員数は約2200人。BtoBによるビジネスが中心で、とくにUNIX、Linux、Macの市場で確固たる存在感がある。日本法人は2000年に設立され、従業員数は現在50人という陣容だ。
纐纈氏によると、Sophosはこれまで欧米でのビジネス展開が中心だったが、最近になって日本をはじめとしたアジア太平洋地域にも力を入れ始めた。同氏が日本法人の社長に就いたのも、日本市場でのビジネス強化を明示した格好だ。会見内容の詳細については関連記事を参照いただくとして、ここでは同氏が強調したパートナーとの連携強化に向けた動きに注目したい。
ソフォスでは現在、新たなパートナープログラムを策定中で5月初旬をめどに発表する計画だが、その方向性としては、販売パートナーとソリューションパートナーそれぞれに「プラチナ」「ゴールド」「シルバー」のランクを設け、それに応じた支援プログラムを提供するという。これによって、ソリューションパートナーを現在の6社から12社に倍増するとともに、2015年度中に50社の販売店ネットワークを構築したいとしている。
纐纈氏は1961年8月生まれで京都府出身。1987年NECに入社してUNIXサーバのOS開発や事業提携、製品計画に従事した後、サン・マイクロシステムズで製品マーケティング責任者などを務め、2007年からはレッドハットで常務執行役員パートナー営業&マーケティング統括本部長を歴任した。
今回のソフォス社長就任は、こうしたIT業界での豊富な経験とともに、とくにレッドハットでチャネル網を構築した実績を買われたことが背景にある。現在はグローバルの数%とみられる日本法人の売上高を「3年後には40億円規模にしたい」と語る同氏の経営手腕に注目しておきたい。