Inforは米国時間4月16日、Red HatおよびEnterpriseDBとの協業についての概要を説明した。この連携により、Inforは、製造業で使用されている自社のエンタープライズリソースプランニング(ERP)ソフトウェア「Infor LN」を、データベースに「PostgreSQL」を採用したオープンソースのテクノロジスタック上で提供できるようになる。
Inforにとってこの計画は、オープンソースを利用することで自社の総所有コスト(TCO)を低減するとともに、OracleやSAPといった企業を相手に競争力を強化するものだ。Inforは2012年からRed Hatと連携しており、PostgreSQLベースのデータベースを提供するEnterpriseDBが提携先企業に加わったことで、Inforはより完全なスタックを構築できる。
具体的には、Inforは「Red Hat Enterprise Linux」「Red Hat JBoss Middleware」そしてEnterpriseDBの「Postgres Plus」を使用可能になる。
Inforの最高経営責任者(CEO)であるCharles Phillips氏は、オープンソーススタックとは、ライセンシングと配信に関するさまざまな制約を減らすことであり、クラウドおよびオンプレミスのインストール間での切り替えが可能だということだと述べた。Phillips氏の発言は、自身の以前の勤務先であるOracleとそのデータベースに対する皮肉とも受け取れる。
Inforにとって、PostgreSQLの動きは理にかなっている。同社は、オンプレミス顧客をクラウドに移行しており、それらの顧客のライセンス(通常はOracle製品)はInfor側に譲渡されるか、顧客側で保持しなければならなくなる。加えて、EnterpriseDBやRed Hatといった企業はふさわしいパートナーだ。理由は、これらの企業がオープンソースを手がける大規模な独立系ソフトウェアベンダーを必要としているからだ。
「オープンスタックは、エクスペリエンスの管理を簡素化し、ライセンスの移動も容易にする」(Phillips氏)
Phillips氏はさらに、Inforはスタックの最適化に向けて、EnterpriseDBやRed Hatと緊密に連携していると述べた。同氏によると、Inforの顧客は80%少ない費用で同一のパフォーマンスを得ることができるという。
Phillips氏は「多くのインターネット企業がPostgreSQLを使用し、その見返りとしてコーディングを支援している」とし、そうしたコードの一部はOracle製品との互換性を確保するものだと付け加えた。
Phillips氏によると、Inforがコスト面の節約とともに、ライセンスの移動などの増分コストをなくすと宣伝するとき、PostgreSQLの事例は説明しやすいという。「多くの顧客にとって、それは非常に簡単だ。多くの顧客は、カスタムアプリ向けにPostgreSQLやMySQLを使用しているからだ」(Phillips氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。