愛知県警察は、サイバー犯罪捜査への技術向上を目的に、5月1日より愛知県警察本部サイバー犯罪対策課職員をNTTデータのフォレンジックに関する研究所へ派遣する。NTTデータが4月24日に発表した。
金融機関を狙ったサイバー犯罪やサイバー攻撃に対抗するための、情報セキュリティ技術や「デジタルフォレンジック」に関する知見を身につける。5月1日から愛知県警察サイバー犯罪対策課職員1人を4カ月間派遣、さらに1年間で複数人の派遣を予定しているという。
デジタルフォレンジックとはデジタル鑑識とも呼ばれ、コンピュータ関連犯罪などの際にPCやネットワーク機器などから犯罪、不正行為の痕跡、証拠を見つけ出す技術や手段を指す。
インターネットバンキングにおける不正送金被害額は、2013年に約14億円と、2011年の約4.6倍に増加している。「Zeus」「Zbot」といったトロイの木馬型のマルウェアが発生し、金融機関で不正送金などの被害が発生している。
特定の企業を狙った標的型攻撃の手法が巧妙化し、従来の技術では、被害を受けた事実の把握や攻撃の経緯の特定は困難であるためこれらに対抗すべく、警察のサイバー犯罪捜査技術も向上が必要と説明した。
NTTデータでは2013年10月から、サイバー犯罪への対応を行う組織である「フォレンジック・ラボ」を設立、デジタルフォレンジックに関する技術開発に取り組んでいるという。