サポートコストの上昇、長期にわたるロールアウト、ベンダーの囲い込み、現在のモバイル環境への適応に関する問題。老朽化したエンタープライズソフトウェアの使用をやめるときが来たのだろうか。
クラウドコンピューティングやコストの増大、エンドユーザーの要求の変化といった要素がきっかけとなって、多くのIT組織がレガシーアプリケーションについて考えを改めるようになった。オンプレミスで提供される従来型アプリケーションの終わりが近づいていることを示す10の理由を紹介する。
1:コストが高額
アプリケーションは古くなればなるほど、サポートにかかるコストが増大する。一般に、ベンダーはアプリケーションが古くなるにつれてサポート料金を値上げし、プラットフォームが古くなるにつれて社内の知識も乏しくなっていく。
2:ロールアウトに時間がかかりすぎる
筆者のキャリアはERPの導入からスタートした。導入期間は6カ月~36カ月に及ぶことも珍しくない。大半のエンドユーザーは、複数年にわたる大規模で融通のきかない導入計画に我慢できなくなっている。経営幹部の多くも、長期にわたる無用な仕事に予算を割り当てることに耐えられなくなった。
3:プロプライエタリ性
多くの従来型アプリケーションは、独自のプログラミング言語から方法論、管理ツールまで、あらゆるものが含まれた単一ベンダーのプロプライエタリなツールで構築されている。現代のアプリケーションは一般的なツールやプログラミング言語に概ね移行しているため、適切な知識を持つITスタッフであれば、幅広いアプリケーションに対応することができる。
4:インフラストラクチャにコストがかかる
一般的に、古いアプリケーションには古い技術環境が必要だ。これには、OS、データベース、ライブラリ、さらには特定のハードウェアまで含まれる場合もある。アプリケーションは古くなるにつれてメンテナンス費用が増加するが、それは基盤となるインフラストラクチャも同じだ。仮想化やクラウドスタイルのプラットフォームを想定して設計された現代のアプリケーションでは、こうした問題は発生しない。
5:規模が大きすぎる
従来型アプリケーションの多くは、ビジネスに関する大きな問題を解決するために構築された。ERPやCRMなどのアプリケーションは、ビジネス上の広範な問題の解決に取り組み、大規模な統合を実現したが、それは当時、この水準の統合を実現する手段が大量のカスタムコードを記述する以外になかったからだ。サービスバスや標準化されたAPIなどのテクノロジが登場したことで、今では小規模なアプリケーションの統合がはるかに容易になり、必要なものだけを購入して短期間で統合できるようになった。あらゆる事態に対処する大規模なアプリケーションを購入しなくてもよくなったのだ。