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大元隆志のワークシフト論

未知の体験は広告では伝わらない--「ハッカソン」が注目される理由(後編) - (page 2)

大元隆志(ITビジネスアナリスト)

2014-05-20 07:30

--開催するポイントはなんですか。

 3つあります。1つ目は「テーマ設定」です。参加者が集まらないとハッカソンが開催できませんから、集客効果のありそうなテーマを考え、トレンドなどを常にウォッチしておくことが大切です。それが決まったら、イベントの方向性を考えます。当社の場合は事業化を目指しますが、純粋に集まってモノ作りを楽しむという方向性でも良いかと思います。

 2つ目は「場作り」です。ビジネスを造ることが目的といっても、「参加者に楽しんでもらえる」ことを大切にしています。やはり、イベントで、本当のビジネスの場ではありませんから、イベントが終わってギスギスした感じになるような場にはしたくありません。社員も含めてゆるくやることを心掛けています。

 3つ目は「エバンジェリスト」の存在ですね。ハッカソンに集まる人は「熱量」が高く「スキル」も高い。そういった人たちと同じ目線、レベル感で「対話」できる人材が必要です。当社に本当に優秀なエバンジェリストがいます。Twilioを愛してないと、本質的な対応はできないと思うんですが、その点、彼は本当にTwilioを愛していますね。

--隠れたポイントとして「会社が寛大であること」があるように思います。ハッカソンのように良質な体験を共有することで、地道にファンを獲得していくという戦略はいわゆるインバウンドマーケティング的には王道だと思います。一方で効果が出るまで時間がかかり、このような手法を実行するにあたって社内から反対は出なかったのでしょうか。

 出ませんでした。当社は「世の中にまだない価値を創りだす」ということに挑戦する土壌があるんです。既に市場が存在するサービスなら、広告を使っていかに早く黒字化するかを求められると思います。

 しかし、Twilioは世の中にまだ市場が存在しておらず「市場を作っている」状態であることを会社が理解してくれています。そのため、Twilioのような世の中にまだないコンセプトを展開する時には「初年度は寛大」という暗黙の方針があると感じています。ですから、1年目は自由にやらせてもらいました。

 電話というビジネスは100年以上も続いていて、市場も技術もビジネスモデルも確立したものだと、みんな思い込んでいるんですね。もう空気のような存在で、これが進化することなんてないと思っています。

 一方でインターネットはここ20年くらいで伸びてきたサービスです。インターネットはITというくくりにいれられる。電話は電話、ITはITと区別されてしまっている。本質をたどれば「どちらもコミュニケーションのツール」であり、「生活を便利にするツール」であるという面では同じです。

 本来、同じ価値を提供するために存在した道具が、気が付けば別々のものとして扱われるようになってしまった。Twilioはこの離れてしまった2つの世界をシームレスにつないであげるツールなんです。この2つがつながることで「今まで不便だった」ものが、もっと便利になる。電話はどこの家にもどこの会社にも存在するものなので、「つながる」ことに気付いたら、チャンスはきっとたくさんあると思うんです。電話とインターネット、これがつながる楽しさをもっと多くの人に体験して欲しいですね。

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