大元隆志のワークシフト論

未知の体験は広告では伝わらない--「ハッカソン」が注目される理由(後編)

大元隆志(ITビジネスアナリスト) 2014年05月20日 07時30分

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 前編では、開発者イベント“ハッカソン”を新製品の開発やマーケティングに連携させているKDDIウェブコミュニケーションズの例を紹介、その手法に注目した。前編に続いて、“電話”を組み込んだアプリを作れるサービス「Twilio」を担当している、KDDIウェブコミュニケーションズ SMB事業本部 Twilio事業部ゼネラルマネージャーの小出範幸氏に聞いた。

--社員の方がハッカソンに参加されるのはどういう意図でしょうか。

 受付対応などの運営はもちろんですが、主な目的は技術支援です。Twilioについて技術的に不明な点があれば、われわれのエンジニアがサポートします。わからないことがあればすぐに聞ける点もハッカソンに参加するメリットですね。

--ハッカソンに参加するメリットは他には何があるでしょうか。

 実際に参加される方からは「(仕事の)モチベーションが維持できる」「相談できる人がそばにいる」「みんなで何かを作るのが楽しい」といったコメントをいただいています。1人で参加する人もチームで参加する人もいます。

--理想的なチーム構成というのはありますか。

 4人チームが一番良いようです。開発者2人、デザイナー1人、それとプロジェクトマネージャー(PM)兼モデレーターが1人いると良いと思います。開発者とデザイナーの必要性は言うまでもないですが、案外見落とされがちなのは、PM兼モデレーターの存在ですね。ハッカソンには制限時間があるので時間配分を考えて各タスクを完了させる必要があります。

 PM兼モデレーターがいないチームはタイムコントロールに失敗して、サービスが完成しないケースがありますね。また、開発者とデザイナーで意見が別れた時などに方向性を統一したりと、短時間でチームとして足並みそろえて行動するには重要な役割ですね。

--どのように集客していますか。

 イベントで知り合った方やイベント主催者の方々と互いに協力しあい、続けてこれたと言うのが大きいです。例えば、大阪、福岡、札幌でハッカソンの説明会を開催したのですが、大阪ではイノベーションハブの施設を利用しています。東京でも昔から「Mashup Awards」から支援がありました。社外で生まれたコミュニティとのつながりのおかげで、ここまでやってこれたと思います。

 告知用ツールとしては「Doorkeeper」というサービスを利用しています。このサービスでイベントページを作り、ここをランディングページとして利用してFacebookやTwitterで告知するという方法です。

--ハッカソン開催の課題はありますか。

 何回かイベントを開催していると、参加の顔ぶれが固まってくることです。常連が来てくれることは嬉しいですが、同じメンバーだけだと創造性が損なわれてしまいますし、コミュニティを維持するという観点からも、新しい参加者に加わってほしいと思います。

 ただ、ハッカソン自体の認知度がまだまだ少ないと思うので、この辺りが課題だと思いますね。

--確かに、ハッカソンという名前は数年前から耳にするようになりましたが、参加するのはコーディングなどもする必要があるので、敷居が高いと感じていました。

 そういうお考えの方もいらっしゃるでしょうね。学生の方もスキルアップ目的で参加されていますし、コーディングができなくても、モデレーターやプレゼンテーターとして参加するという方法もあるので、まずは興味を持ったら気軽に参加してほしいです。われわれの場合、なにしろ「ゆるくやる」ことをモットーとしていますから。また、ビジネスモデルを考える方と、エンジニアがチームを組むというマッチアップの場を提供することもあります。

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