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司令塔はラリー・エリソン--米クラウドERP市場を語るネットスイートのネルソンCEO

谷川耕一

2014-05-15 20:27

 米NetSuiteの年次イベント「SuiteWorld 2014」の開催中、最高経営責任者(CEO)であるZach Nelson氏にインタビューをする機会を得た。米NetSuiteの顧客は、グローバルに拡大しており、コスタリカやパナマなどNelson氏自身このような国でも使っているのかと驚くほどの広がりを見せていると言う。

 グローバル展開の中では、日本でのネットスイートの拡大は1つのチャレンジだとも言う。製品として漢字への対応や日本独自のビジネスモデルのサポートなど、かなり難しいものがあったからだ。しかしながら、それらに真摯に取り組んできたこともあり、日本での新規顧客は増えている。

 そんな日本の新しい事例の1つとしてディー・エヌ・エー(DeNA)の名前を挙げた。DeNAでは、統合基幹業務システム(ERP)と人事管理(HR)でNetSuiteを利用しており、10カ国で2000ユーザーが利用しているとのこと。さらには日本の大手製造業でも多国籍企業向けERP「NetSuite OneWorld」を利用しており、米国だけでなく日本をはじめとしたグローバルでクラウドERPは好調だと言う。このようにNetSuiteは、困難だと言われているクラウドERPでなぜ成功できたのか。その理由についてNelson氏に話を訊いた。


米NetSuite 最高経営責任者(CEO) Zach Nelson氏

--なぜERPをクラウドに載せようと思ったのですか。

 NetSuiteの創業者であり会長兼最高技術責任者(CTO)のEvan Goldbergが、会社を立ち上げる前にOracleのCEOであるLarry Ellison氏と話をしました。その際にEvanは、Siebelのような営業のためのシステムを小規模企業向けに作りたいと言ったのです。Larryは、それは面白いねと言いましたが、セールスのシステムには問題もあるよと指摘したのです。そして、セールスのシステムにはビジネスシステムとして必要なものが欠けているので、まずはERPから始めたらどうかと言ったのです。

 もう1つのLarryからのメッセージは、インストールして使うようなものではなくインターネットで使えるようなものを作るべきだということでした。さらに、これからは、ユーザーがウェブで自由に買い物をするというのが増えるので、Web Storeを作ったらいいとも。このLarryから3つのアイデアをもとに、ERPをコアとしてその周りに他のシステムをつないで使うというNetSuiteの仕組みが出来上がりました。キーノートの発表内容も、基本的にはこのオリジナルのアイデアを繰り返してきた結果です。現在では、当初よりかなり大きく拡張はしていますが。

 実は、EvanとLarryの会話の場には、Salesforce.comのCEOであるMarc Benioff氏もいました。数日後MarkはLarryに電話して、「セールスのシステムは僕が作るよ」と言ったのです。NetSuiteもSalesforce.comも、このLarryとのほんの5分ほどの会話からスタートしたというわけです。

--クラウドERPの成功のポイントは。

 成功した要因にはさまざまなものがあります。企業の規模によっても、NetSuiteの評価は異なります。たとえば小規模な企業の場合には、バックオフィス部分だけでなくビジネス全体を動かすプラットフォームとして使う傾向があります。小規模な企業では、複数のアプリケーションを統合するといったことには手間をかけたくありません。なので一元的にシステム化したい。その際に効率とコストの面からNetSuiteを選びます。これはスタートアップなど、次世代型の企業での事例となります。そういったモダンな会社では、NetSuiteの導入とともに成長していきます。DeNAもこの次世代型の成長企業事例の1つです。

 大規模な企業でも、NetSuiteを活用する動きは増えています。90年代の古いビジネスプラットフォームを切り替えるタイミングで移行している例が多くあります。日本の大手製造業の事例は、こちらのカテゴリに入るでしょう。ミッションクリティカルなシステムをクラウドに載せる動機付けはいくつかありますが、顧客とのリアルタイムな関係性を維持しようとするとクラウドが必要だと考えるようになってきました。

 クライアントサーバ型のシステムは、インターネットの利用を前提としていません。むしろインターネットからの多数のアクセスを拒絶するようになっています。今求められているシステムは、それとは全く異なります。権限に応じ誰でもいつでもアクセスできるようにする。こういったことを実現するのがきっかけで、クラウドに移行しようと考えるのです。

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