青森県立中央病院、端末と部門サーバを仮想化して集約、統合セキュリティを導入

NO BUDGET

2014-05-22 07:45

 青森県立中央病院は、電子カルテシステムの基盤として仮想デスクトップ環境(VDI:Virtual Desktop Infrastructure)を構築、同時に各部門サーバも合わせて仮想化環境に集約し、その仮想化環境全体のセキュリティ対策として、統合型サーバセキュリティシステムを導入した。システムを提供したトレンドマイクロが5月21日、発表した。

 青森県立中央病院では近年、四大疾病であるがん、心臓病、脳卒中、糖尿病に対応した各センターを立ち上げるなど、大規模な病棟再編、組織改革を推進している。IT面では、電子カルテ用端末の台数が不足しがちであったことや、各診療科が個別にシステム導入を進めたため部門サーバが乱立傾向にあるといった課題があり、仮想化技術によりそれらの解決を図った。

 まず、電子カルテシステムにはVDIを用い、院内の無線LAN経由でAndroidのタブレット端末から利用するようにした。PCより低コストで場所も取らないことから、看護師ら職員1人に1台ずつ配布できるようになり、これまでのように共有PCの利用待ちをすることもなくなったことで業務効率が向上した。複数の患者の情報をまとめて入力するのでなく、その場で患者一人ひとりの情報を入力できるようになり、取り違えリスクも軽減されたという。

 一方、部門サーバはVDIと同じ基盤上に仮想サーバとして移行、医療情報部が全てのサーバリソースを一元管理するようにした。以前は日常の運用を現場で行っていたため、トラブル時などの原因究明にも時間を要していたが、一元管理によりガバナンスが行き届くようになった。

 これらの仮想化基盤全体のセキュリティとして導入されたのが、トレンドマイクロの「Trend Micro Deep Security」。WindowsやLinuxなど多様なサーバOSに対応しているほか、青森県立中央病院が仮想化基盤として用いる「VMware vSphere」に対応し、VDIでのウイルス対策に適した機能を備えていることなどから採用が決まったという。


青森県立中央病院の仮想化環境のセキュリティ対策

 一般的に、VDIでのウイルス対策は、仮想PCにエージェントを導入する形とした場合、アップデートやスキャンが同時に実行されてサーバの負荷を圧迫、大幅なレスポンス悪化を招くことがある。

 これに対しDeep Securityでは、vSphere上の「VMware vShield Endpoint」と連携、仮想アプライアンスの保護モジュールが全仮想PCに対してウイルス対策を実行でき、負荷上昇を抑えることができる。新たに構築したVDIのパフォーマンスは非常に良好で、従来より軽快に感じられるほどだとしている。

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