SAPが米フロリダ州オーランドで開催している年次ユーザーカンファレンス「SAPPHIRE NOW + ASUG Annual Conference」の2日目となった6月4日、インメモリデータベース「HANA」のユーザーであるタイの航空会社、Bangkok Airwaysのシステム担当者が自社の取り組みを紹介した。
Bangkok Airwaysは2012年にSAPの統合基幹業務システム(ERP)パッケージを導入した。その後、HANA上にERPを載せる「Business Suite on HANA」にスイッチした。狙いは「フライトごとの利益状況をリアルタイムに把握する“ルートプロフィッタビリティ”の実践」だった。
Bangkok AirwaysはHANA導入でフライトごとの収益を管理するようになった
「毎日、毎週、毎シーズンのコストを見極めていくことが直接の理由。インメモリ技術による処理の高速性と、需要に応じてノードを増やすスケールアウトでシステム拡張がしやすいことを評価した」とのこと。
従来は「バンコクからプーケットへの1フライトで得られる収益も費用も分からなかった」という。燃料費をはじめとしたさまざまなデータを考慮しなければ「航空券の適切な価格設定すらできない」(Bangkok Airways)。多数の関係者にさまざまな事柄についての価格などを確認するのも大きな手間になっていた。
こうしたデータがリアルタイムに得られるようになり、プロセスがスムーズになったという。オンプレミスで運用しているが、今後、クラウドの「HANA Enterprise Cloud」に移行する考えだ。