IDC Japanは6月9日、2014年第1四半期(1~3月)の国内サーバ市場の調査結果を発表した。1~3月は前年同期比3.1%増の1242億円、出荷台数は前年同期比13.6%増の16万4000台だった。X86サーバが好調で、市場に対する影響力を増している。
1~3月はx86サーバの出荷額が前年同期比17.0%増と好調だったが、その他の製品分野はすべて2桁のマイナス成長だった。サーバ市場全体に対するx86サーバの出荷額構成比は、前年同期から8.3ポイント増の70.1%。IDCが2000年に調査を開始して以降初の7割超という。x86サーバの出荷額は870億円、出荷台数は16万2000台とともに2000年以降の最高記録だった。1~3月は、複数のベンダーで1000台を超える大口の出荷があり、年度末や消費増税前の駆け込み需要が一部にあったとみている。
ベンダー別出荷額では、富士通が首位だった。x86サーバで通信向けとITサービス向けに複数の大口案件を獲得したほか、ビジネスサーバもプラス成長を記録した。2位はNECであり、x86サーバが前年同期比で2桁増、ITサービス向けや官公庁などで大口の案件を獲得したほか、首都圏以外の地域での販売も好調だった。3位のHewlett-Packard(HP)もx86サーバが好調で、データセンター向けと通信向けに1000台超の出荷が複数件あり、前年同期比で2桁増となった。4位のIBMはビジネスサーバ以外の製品分野はマイナス成長。5位の日立製作所は、x86サーバが前年同期比で2桁増。パートナー向けの大口案件を獲得したことが要因という。
1~3月は、x86サーバで大口の出荷が相次いだ反面、他の製品分野は低調に推移し、製品分野によって明暗が大きく分かれた。
x86サーバ市場は相手先ブランドで設計から製造までを担う(ODM)ベンダーが、直接ユーザー企業の要求に応じてサーバを製造する“ODMダイレクト”の台頭や、クラウドサービスなどとの棲み分けが必要と分析している。
2014年第1四半期 国内サーバー市場ベンダーシェア 出荷額