HPが新たなサーバ事業戦略を展開している。キーワードは「ワークロード特化型」だ。新たな戦略展開にはサーバベンダーとしての強いこだわりがあるようだ。
HPが注目する4つのワークロード
日本HP HPサーバー製品統括本部アライアンス・ビジネス開発本部 本部長 宮本義敬氏
「HPのサーバ事業にとって、2014年はワークロード特化型元年だ」
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)の宮本義敬HPサーバー製品統括本部アライアンス・ビジネス開発本部 本部長は、同社が8月7日に開いた新製品発表会でこう強調した。HPの新たなサーバ事業戦略を一言で語ったものである。
日本HPがこの日発表した新製品は、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)などに向けた高密度型サーバ「HP Apollo」ファミリ。水冷型のスーパーコンピュータ「HP Apollo 8000 System」と、シャーシ型サーバ「HP Apollo 6000 System」を同日より販売開始した。
新製品の内容については関連記事を参照いただくとして、ここでは宮本氏が語ったHPの新たなサーバ事業戦略の中身に注目したい。
宮本氏によると、HPは多様化するワークロードに対応していくため、サーバ製品群を「コアビジネスアプリケーション」「ミッションクリティカル環境」「仮想化/クラウド環境」「ビッグデータ/HPC/ウェブスケールアウト」といった4つのワークロード(システムのパフォーマンスを適正な状態に保つための指標)に分け、それぞれに特化した製品を展開する戦略に打って出た。
1つ目のコアビジネスアプリケーションは、ERPをはじめとしたビジネスアプリケーションが対象で、とりわけ総所有コスト(TCO)の効率化が求められる領域だ。2つ目のミッションクリティカル環境は、オンライントランザクション処理などが対象で、とりわけ事業継続のための信頼性や拡張性が求められる領域だ。
3つ目の仮想化/クラウド環境は、クラウドでリソースをプールして提供するようなワークロードが対象で、とりわけITサービスのための統合型の製品やサービスが求められる領域だ。そして4つ目のビッグデータ/HPC/ウェブスケールアウトは、とりわけスケールアウトのための高密度実装技術が求められる領域だ。ちなみに今回の新製品は、この4つ目のワークロードに向けて投入したものである。