エンタープライズクラウド分野での明快な発言で高い評価を得ているDavid Linthicum氏は最近、興味深い見解を発表している。プライベートクラウドがパブリッククラウドへの入り口として機能することが増えてきている、というものだ。
状況が進展するにつれて、プライベートクラウドは、パブリッククラウドサービスのよりセキュアな代替品とみなされるようになっている。それはそうかもしれないが、Linthicum氏は、プライベートクラウドは同時に、パブリッククラウドサービスとのインターフェースとなる「ポイントオブコントロール」(管理点)の役割も果たすとして採用されていると考えている。
別の言い方をすれば、パブリッククラウドサービスがプライベートクラウドアーキテクチャの中に入り込んで、ストレージやコンピューティングなどの高度なサービスを提供するということだ。「パブリッククラウドサービスは、プライベートクラウドのリクエストを受けて演算を実行するが、同様に、このプライベートクラウドはアプリケーションやエンドユーザーからのリクエストを実行している」(Linthicum氏)
マネージドサービスプロバイダーは、このアプローチを取る可能性が最も高いと、Linthicum氏は述べている。企業はこれを、最も妥当なハイブリッドクラウドのアプローチとして採用するだろう。プライベートクラウドが「ポイントオブコントロール」の役割を担い続けていくと考えられるのには3つの理由がある。
データに関する法令の遵守やセキュリティへの適合の対処が優れている:「管理やセキュリティについて、そして場合によっては、データを保管できる場所を定めた有効な法律や規則について検討事項がある場合、企業は一般的にアプリケーションのための主なリソースとしてプライベートクラウドに注目する傾向がある」(Linthicum氏)
全てを一元管理できる:「プライベートクラウドを『パブリッククラウドコントローラ』として使用するということは、多くの異なるパブリッククラウドプロバイダーに対して、インターフェースは1組だけで済むという意味だ。こうすることで、プライベートクラウドを用いた共通の抽象化レイヤを提供することにより、クラウドサービスの利用が簡素化される」(Linthicum氏)
より効果的なガバナンスを行える:必要な場合にのみパブリッククラウドリソースを使うため、「ガバナンスとセキュリティの実施がはるかに容易になる」。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。