ネットワークセキュリティの要諦

意図しない「善意の内部ユーザー」による情報漏えいとその対策

三輪 賢一(パロアルトネットワークス) 2014年09月12日 16時17分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 今回は前回挙げた3つのパターン「善意の内部ユーザーによる意図しない情報漏えい」「悪意の内部ユーザーによるの意図した情報漏えい」「外部ユーザーによる情報搾取の情報漏えい」について、具体的な例を挙げつつ、企業における対策方法を解説していきます。

 まず善意の内部ユーザーですが、7月10日に公開されたNISC(内閣官房情報セキュリティセンター)の「サイバーセキュリティ政策に係る年次報告(2013年度)」のI-2-(1)-イ項にある「意図せぬ情報流出に係る情報セキュリティインシデント」に記載された3つの事例がすべて当てはまります。どれも話題となった事例でしたが、改めてそれぞれを振り返ってみましょう。

 例えば、2013年7月に問題が表面化した、インターネット上でメールを共有できる無料のクラウドサービスで個人情報や中央官庁の内部情報が誰でも閲覧できる状態になっていた事案や、2013年11月に問題が表面化した、大学でFAXやスキャナで読み取った学生らの個人情報がネット上で誰でも閲覧できる状態になっていた事案、2013年12月に問題が表面化した、入力した全ての文字情報がクラウドサービスのサーバに送信される日本語入力ソフトがインストールされていた事案等が発生している

 最初に挙げている2013年7月の「インターネット上でメールを共有できる無料のクラウドサービス」とは「Google グループ」を使ったグループメールサービスのことです。複数の官公庁において、職員が出張先などから内部情報を共有したり、官公庁外部の人と連絡したりする目的で同サービスが利用されていました。

 Googleグループのデフォルト設定ではすべての情報がネット上に公開されてしまうため、メールの内容が誰でも見られるようになっていたため問題が発覚しました(現在ではデフォルト設定は非公開)。

 管理者としてはセキュリティ対策のために決められたアプリケーションのみに使用を制限したかったとしても、現場レベルでは利便性の良い誰でも使えるサービスを探して勝手に使ってしまい、その結果セキュリティ上好ましくない結果に陥るということが十分に考えられます。

 この事例に対する主な対策として、前述の報告書内では「約款による外部サービスの利用に係る責任者を設置し、アクセス権設定等の安全管理措置を含む利用手順を整備する。」と述べています。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

連載

CIO
デジタル“失敗学”
コンサルティング現場のカラクリ
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
ネットワークセキュリティの要諦
セキュリティの論点
スペシャル
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]