IT関連の仕事の将来について考えれば、多くのテーマが浮かび上がってくる。米ZDNetでは、特集記事や独自の調査で重要なポイントをまとめてきた。
しかし、まだすべてを見渡せたとは言えない。
この記事では、表面下で動いている、より微妙なテーマについて考えてみた。以下では、今後数年間のIT関連職の変化に伴い、ITプロフェッショナルや企業の役員、今後成長が見込まれる企業が注目すべき5つの大きなテーマをまとめる。
1.ベンダーの管理が重要となることが多い
かつて、ITは特別な技能を必要とする仕事だった。技術者は特定のテクノロジやスキルに関する深い知識を持ち、多くの場合その専門の資格を取って、少なくとも5年から10年はその仕事を続けた。今でもそういった仕事は多いが、仕事を続けられる時間は短くなっており(この記事の5番目の項目を見てほしい)、サードパーティーのソリューションを選定したり管理したりすることに多くの時間を費やすITプロフェッショナルが増えている。これは、ベンダーがより多くの仕事を請け負うようになっているためだ。
ベンダーの選択に関してよい判断を下すことや、ベンダーとの関係を管理する交渉スキルや対人スキルを持つことは、優秀なITプロフェッショナルになるために重要になってきている。これまでもこうした仕事はあったが、クラウドとアウトソーシングが台頭し、企業がITソリューションを構築するよりも購入することが多くなったことで、このスキルセットの重要性はますます高まっている。ITプロフェッショナルはこのスキルを習得すべきだし、採用責任者はこのスキルをもっとも重視すべきだ。
2.ビッグデータは新しい石油
「データは新しい石油だ」という表現は少し古くなってきているが、これは決して大げさな話ではない。以前のIT部門の役割は、接続性を維持し、システムを稼働し続けることだったが、これは現在ではやって当たり前のこととして受け取られている。ITが組織に対して最も目に見える価値を提供できるのは、データに関することだ。
組織や役員、あるいはさまざまな部門が、より素早く行動し、より賢明な判断を下し、必要な時には方向性を転換するためのデータを発見し、可視化するのをIT部門が支援できれば、その価値は大きく上昇するはずだ。それに加え、今後データの周辺には、ITを中心的な資産として収益を生むような企業や業界が成長していくだろう。自分がIT関連のどんな仕事をしているにせよ、その仕事が将来ビッグデータとその分析技術にどう関わるかを考えておくべきだ。それこそが今後注目を浴びる分野(そして予算の源)になる可能性が高い。
3.ビジネススキルには2倍の価値がある
古くからある多くの企業や組織では、IT部門は最高財務責任者(CFO)の下に位置している。これは多くの場合、ERPやCRMといった財務システムがIT部門の最大の仕事だからだ。ところが、企業のトップと密接に結びついているにもかかわらず、IT部門の多くは、技術を持ち、命令をこなすだけの傭兵の役割しか果たしていない。
しかし、そのような時代は終わろうとしている。今や優秀なITプロフェッショナルは、単なる召使いではなく、強力なパートナーの役割を果たしている。彼らは企業のビジネスモデルを深く理解し、企業の成長や適応、生き残り、繁栄をもたらすアップグレードや新たなソリューションを積極的に提案する。これは、すべてのITプロフェッショナルがMBAを取得する必要があるという意味ではないが、少なくともビジネス、経済、財務の基本については自学自習するべきであり、自らが属する企業や業界の総合的なエキスパートとなって、さらに時代遅れにならないよう、常にできる限りの努力をすべきだ。