4.より多くの女性を雇用することが重要となる
将来、社会や経済が必要とする科学技術や理数系の仕事をする人材の数が不足する可能性は高い。そういった人材の不足は起こらないとする意見もあるし、これは急速な技術の変化によって時代遅れになった技術者の再教育の問題でもあるが、将来理数系の知識や技術的なスキルを必要とする仕事の割合が増えるということは事実だ。特に米国では、単純に将来あらゆる業界で必要とされるはずの、その種のスキルを持つ十分な数の人材を、大学が送り出せていないという問題がある。
科学技術や理数系のスキルを持つ人材の不足を補う最もシンプルな方法は、性別による差を埋めることだ。今や米国では、学士号を取る人材の60%、そして修士号を取る人材の60%が女性になっている。ところが米労働省によれば、女性は米国の専門職のうち57%を占めているにもかかわらず、コンピュータ関係の仕事には26%しかいない。以前は技術関係の仕事における女性の比率はもっと高かった(1991年には36%だった)が、米国ではこの20年間、この割合は減り続けている。よい兆候も見られる。カリフォルニア大学バークレー校の計算機科学のクラスでは、2014年に初めて、女性の学生の数が男性を上回った。
しかし、それには一部のIT新興企業やIT部門で広がっている「ブログラマー」文化(訳注:お互いを「bro」(兄弟)と呼び合う、男性的な雰囲気の強いプログラマーの文化)を意識して排除する必要があるのに加え、この業界の人間がステップアップして、科学技術や理数系に興味を持つ女子が、それを職業として選択することを心から歓迎するようになる必要があるだろう。
5.適応能力はすべてに勝る
科学技術系や理数系の仕事が不足するという考え方に対する最大の反対意見は、現在も多くのIT技術者が一時解雇にあっており、仕事を見つけるのに苦労しているというものだ。しかし、多くの場合それらの技術者は、需要の高い新しい仕事を得るのに必要なスキルを持っていないか、期待する給与水準が高すぎて新しい職に就くチャンスを逃しているだけだ。
これは克服するのが難しい問題であり、現在の技術者たちは、キャリアを形成していく上でこれまでよりもずっと高い適応能力を必要とされるようになっている。今自分が取り組んでいることと同じことを、3年から5年後にもしている可能性は低い。常に学び続け、進歩するチャンスを求め続ける姿勢が重要になる。
企業にとっては、個人の成長を後押しし、学習する機会を与えることが、ITスタッフを常に成長させる上で必要不可欠だ。多くの場合、新たに従業員を雇うよりも、今いる従業員を雇い続ける方がはるかにコストが低く、効率も高い。今いる従業員が会社の事業を熟知しており、組織に関する知識を頭に詰め込んでいるエースの場合には特にそうだ。この点を過小評価すべきではない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。