米国時間9月17日にApple最新のモバイルOS「iOS 8」がリリースされる。だが、しばらくは距離を置いたほうがよいケースがある。
新OSはたくさんの新機能を搭載し、生産性や「iPhone」「iPad」「Mac」間の連係に関わる複数の改善が施されているほか、プロシューマーやエンタープライズユーザーに訴求するように設計された、ビジネス向け機能を多数備えている。
しかし、誰もがすぐさま最新版をインストールしたほうがよいわけではない。
以下が検討するべき6つのシチュエーションだ。
1.ほとんどのアプリは動くだろうが、完全なエクスペリエンスを享受しきれない
iPhoneやiPad向けアプリの開発者の多くが、17日のリリースに先立ちiOS 8を試してきたことだろう。彼らは最新OSに自分のアプリやサービスを対応させるのに十分な時間をもらっていたはずだ。
しかし、中には互換性の問題で動かなかったり、アップデートの一覧に表示されなかったりするアプリも出てくるはずだ。
また、これまでは入手できたのにダウンロードできなくなってしまうアプリもあるはずだ。というのも、App Storeで提供するアプリは1つ1つ、Appleが承認する仕組みになっているからだ。何週間も承認を待たされているアプリもあるだろう。
2.アップグレードで脱獄が無効に。新しい方法が提供されるのはしばらく先
未承認アプリを入れたり、Appleが隠している深いレイヤーのシステム変更を施したりする目的でOSを「ジェイルブレイク」する人も多い。
iOS 7をジェイルブレイクした場合、端末はカスタマイズの幅が広がる代償として保証外になる。OSをアップグレードすると、脱獄の状態は無効になる。そして、AppleがOSをどれくらい堅牢に作り上げたかにもよるが、新しい脱獄ツールが出るのは何週間、あるいは何カ月間も先になるだろう。
3.アーリーアダプターはバグなどに直面する可能性も
Appleのユーザーベースは巨大である。それゆえ、iOS 8の品質は間違いなく高いはずだ。それでも、同社の中では、リリース直前まで不具合やバグ、異常な挙動の修正に追われているはずだ。Appleが、まったくそうは見えない挙動を「仕様」だと言い張る可能性すらある。
これまでiOS 8は、一部のベータテスターや開発者にしか試用されてこなかった。一般に公開されれば、複数のバグや脆弱性があぶり出されるであろう。
4.業務に使用している場合は、技術部門の準備状況を確認すべし
iOS 8にはエンタープライズを意識した機能がいくつか含まれている。たとえば、セキュリティは一段と強化され、特定のEメールスレッドをVIPに指定することが可能になった。
それでも、IT管理者や最高技術責任者(CIO)が承認するまで、iOS 8のダウンロードが許可されない企業もあるだろう。
社内で開発されたアプリやモバイルデバイス管理(MDM)ソリューションがiOS 8に対応していない可能性が考えられる。また、すべてのバグが判明したり、バージョンが安定するまで、新版を避けたがる組織もあるはずだ。
5.古い端末は対応しきれず、動きが緩慢になることも
iOS 8は「iPhone 4S」以降、「iPad 2」以降、「iPad mini」以降の各端末、「iPod touch」(第5世代)に対応する。古い端末はプロセッサもメモリもストレージも劣るため、新しいデバイスで経験できるような華やかな動きを享受できない可能性がある。
iPhone 4sとiOS 7を使っている時点で端末の調子が悪い人は、iOS 8にアップグレードしても助けにはならないだろう。
6.ダウングレードは(出来たとしても)トリッキーだ
iOS 8をいったんインストールしたら、必要なファイルや設定を保存していない限り、元には戻れない。
仮に必要な情報を保存していたとしても、サードパーティー製のApple非純正アプリを使わなくてはならないことが多く、これをAppleはサポートしていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。