大きな環境変化に対応し、あなたの会社が「20年後」も存在するために--いまワークスタイル変革を急ぐべき理由 - (page 2)

齋藤公二 (インサイト)

2014-10-03 06:30

不満を抱えた社員がシャドーITに走る

 ワークスタイル変革を進めるうえで、何が課題になるのだろうか。DTCが今年3月に発表した「2013年度ワークスタイル実態調査」では、そうした課題を明らかにしている。

 調査によると、74%の企業が多様な人材の維持・獲得をワークスタイル変革の目的に掲げており、人材マネジメント強化に不可欠な取り組みと認識する一方で、半数の企業はワークスタイル変革のニーズは感じているが、 実施には慎重な姿勢を示していた。また、オフィス外での簡単な業務は認めるものの、在宅勤務やいつでもオフィス外で勤務可能な働き方を6割の企業がまったく認めていなかった(図表1)。

図表1: DTC「2013年度ワークスタイル実態調査」より 図表1:DTC「2013年度ワークスタイル実態調査」より
※クリックすると拡大画像が見られます
田中氏
田中氏

 調査を担当したマネジャーの田中公康氏は、「オフィス外で勤務可能な働き方に後ろ向きな企業ほど、長時間労働の助長や女性活用の出遅れ傾向が顕著でした。社会が求めている働き方に対して、会社側が追いついていません。ワークスタイル変革は、制度上も組織風土の面でもこれからの取り組みと言えます」と指摘する。

林氏
林氏

 また、シニアコンサルタントの林大介氏は、経営側の意識が追いついていない面があると指摘する。「モバイルを入れるかどうかというITだけの問題にしたり、育児休暇やテレワークを認めるかという人事や総務だけの問題にしてしまいがちです。ワークスタイル変革を福利厚生の一部とみなすような考え方から脱却していく必要があります」(同氏)

 ワークスタイル変革におけるこうした課題は、社員目線で見るとより明確になる。DTCが今年実施した「業務環境の不満に関するアンケート」では、「ICTツールに対する不満度」と「業務場所に対する不満度」を聞いた。すると、ICTと業務場所の両方について「まったく不満はない」との回答は32.9%にすぎず、残りの67.1%は、ICTや業務場所について、なんらかの不満を抱えていることがわかった。

 興味深いのは、こうした不満を抱いた社員は、IT部門の許可なく自分の使いたいITやサービスを社内で勝手に使い出す「シャドーIT」に走りだしやすいということだ。水上氏は次のように説明する。

 「会社のICTに不満を感じた社員の4割は、シャドーITに走るという結果でした。また、不満の数が5個を超えると、不満を爆発させるように一気にシャドーITに移行するという傾向も確認できました。業務環境への満足はシャドーITのリスクを軽減すると思われ、不満を溜めさせないことが重要です」

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