ミネアポリス発--Appleデバイス向けにデバイス管理ソフトウェアを開発するJAMF Softwareのユーザーカンファレンス「JAMF Nation User Conference(JNUC)」が開催された。会期中、同社の技術を利用してAppleデバイスを利用するPixarやNational Geographicなどの顧客が自分たちの体験を語った。
Appleは、拡張性のあるカスタム構築されたエンタープライズ向けのデバイス管理ツールを提供していない。そのため、Apple製品を企業環境で利用する企業は、JAMFなどのツールを別途導入する必要がある。PixarやNational Geographicは主にJAMFの主力製品「Casper Suite」を利用して、モバイルデバイス管理(MDM)のタスクを処理している。
PixarとAppleの関係を考えると(Appleの元最高経営責任者《CEO》、Steve Jobs氏は当初Pixarの会長を務め、その後CEO職に就いた。DisneyによるPixarの買収にも大きな影響を与えた)、技術サポートという点でAppleから有利なサポートを受けていたと想像しがちだが、Pixarのデスクトップ・インフラ担当トップのChris Lasell氏によるとそのようなことはなかったという。
「確かに、さまざまな経緯からAppleとの関係は長い」とLasell氏。「(だが)以前は聞きたいことがあってAppleと連絡をとっても、助けられないといわれた。だが、エンタープライズに限ってみると、Appleとの関係はこの12カ月で大きく改善した。Appleはエンタープライズを重要なものと認識するようになった」と述べる。
JAMFのCasper Suiteなどにより大企業はMacの管理が可能となったことから、Lasell氏はJAMFとCasper SuiteがAppleのエンタープライズ向け戦略を加速させたとみる。「JAMFのユーザー数が増えたことで、Appleはこれが何を意味するのかをやっと理解した」とLasell氏。
現在、Pixarはさまざまなハードウェアを利用しているが、作業のほとんどが行われるのがAppleマシンだ。同社の従業員約1200人は、コンテンツ作成から汎用のコンピューティングに約1600台の「Mac」を使っている。このほか、映画制作用としてLinuxマシンが約1000台あり、主として財務部門向けに300台〜400台の「Windows」マシンがあるという。
JAMFを利用したデバイス管理については、Lasell氏は「デバイスの安全対策、ソフトウェアとアプリのプロビジョニングで重要な製品になっている」と述べた。パスコード利用の強制、設定管理、電子メールへのアクセスなどの機能も利用しているという。
一方で「iPad」についてはカスタム構築されたツールがあるものの、教育や授業のための設定のほかにはあまり使われていないと述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。