道路内部の劣化状態を計測--NECの社会インフラ事業 - (page 2)

山田竜司 (編集部)

2014-12-11 08:23

 NECグループは、「2015中期経営計画」のもと、現在、「社会ソリューション事業」に注力しており、ICTを活用した社会インフラの老朽化対策や防災力強化を推進している。今回の新技術もこの一環であり、今後もこの技術の開発を継続強化するという。


執行役員 江村克也氏

 NECの研究開発では現在、NECが技術的に優位に立ち、価値を提供しうる領域を中心に据え、フィードバックを得るなど顧客と製品やサービスを協創するという研究開発の戦略を持っている。

 その結果、NECが持つ、優位な技術を領域に集中するため、競争力のある「社会的ソリューション」を作ることができるとした。

 現在では、「顔認識技術によるセキュリティ」「データ分析によるプラント故障、予兆監視」「電力需要予測」「テキスト含意認識による情報ガバナンス」などの分野で引き合いがあるという。

 今後、システム全体の最適化と提供サービスの高度化をすすめ、付加価値高く、街全体を管理できる「スマートシティソリューション」など、より包括的な社会ソリューションの提供を目指す。

 これらのサービスは、センサ同士の相関から異常が検知できる「インバリアント分析」やデータに混在する多数の規則性を発見する機械学習技術「異種混合学習」といった独自の分析手法によりに高度に未来を予測できるようにし、サービスを最適化するとしている。データ分析の注力に伴い、データ分析部門も人材を強化する予定だ。

 「どの分野でもNECがナンバーワン、オンリーワンといえるような領域でサービス開発をしており、競合他社から比べても優位であるという認識だ」(執行役員 江村克也氏)

 これらサービスを支えるインフラ領域に関しても現在、事業として注力しているSDNから、SDC(Software-Defined Computing)、 SDS(Software-Defined Storage)へと発展し、制御対象を拡大するとした。

 インフラでは、ベクトル化技術やネットワーク技術、セキュリティなどの基盤を強化する。さらに学術と連携するなど、社会ソリューション事業を洗練させる方向性を示した。2013年に設立したシンガポール研究所など、海外の研究拠点との連携を深め、R&D活動も推進、グローバルに社会ソリューション事業を推進する構えであり、社会ソリューション事業への注力ぶりがみてとれる。

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