従来型のオフィスは脅威にさらされており、リモートビデオ通話、アウトソーシング、カフェで仕事をする人々に圧倒されつつある。Yahooの最高経営責任者(CEO)であるMarissa Mayer氏は、よく知られているようにオフィス勤務を全従業員に強制して、この脅威を排除しようとした。しかし、旧態依然とした本社で働きたい人などいるだろうか。「私が今日やりたいことを教えてあげよう。オフィスに通勤することだ」などと言った人は、まずいない。いるはずがない。
リモートワーキングは拡大している。米連邦政府の報告書によると、政府職員の47%(具体的には102万34人。本当に100万人以上だ)は在宅勤務をする資格があるという。この数字は前年と比べて大幅に増加している。
では、オフィスは過去のものになろうとしているのだろうか。ソファーでパジャマを着たまま仕事をすることの魅力は、あらがえないほど強力なのだろうか。2014年、全国日刊紙のThe Guardianと電話会議サービス企業のPowwownowの主催で、英国業界の識者による討論会が開催され、リモートワークの問題が議論された。会議で挙がった懸念事項には「在宅で勤務する者を信用してもいいのか」「オフィスにいるよりも、オフィスにいない方がいいのか」「次は何が起きるのか」などがある。以下では、会議で導き出された結論の一部を紹介する。
1. リモートワーカーの方がストレスを感じにくい
Nationwide Building Societyのデジタル開発グループの責任者であるDaryl Wilkinson氏は、リモートワーキングを奨励することで、自分の部下に権限を与え、ほかの部署に実例を示したいと述べた。「オフィスと職場のストレスが少なくなる。社員は自分自身と会社に適した方法で働く権限を与えられたと感じる」(Wilkinson氏)
2. リモートワーカーとも問題なく連絡を取れる
スマートフォンとソーシャルメディアの普及により、相手の横にいなくても、きちんとコミュニケーションを取ることができるようになった。また、リモート管理、クラウドベースのプロジェクト管理、ビデオ会議、BYODといった新しいビジネストレンドによって、リモートワークの有効性はさらに高まっている。
3. リモートワーカーの方が低コスト
アウトソーシング企業Mitieで戦略マーケティング開発部門を統括するIan Adams氏によると、企業は多様な働き方を奨励することで、賃借料や不動産関連の経費を削減することができるという。
4. オフィスにいないのはいいこと
無断欠勤でオフィスを不在にするということではなく、「オフィスから離れた場所」にいるという意味だ。「離れた場所で働くことが可能になれば、『プレゼンティーイズム』、つまり、必要以上に長い時間、オフィスに居続けようとする必要はなくなる」。ワークライフバランスを専門とする慈善団体Working Familiesで、ポリシーおよびリサーチオフィサーを務めるJonathan Swan氏はこのように述べた。
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