EMCジャパンのデータ保護に関する調査「EMC Global Data Protection Index」によると、過去1年間で国内企業における1社あたりのデータロスとダウンタイムから生じた損失は、約2億1900万円(1米ドル=100円で算出)という。2012年以降、世界のデータロスは400%の割合で増加しており、国内の企業・組織の91%(全世界:71%)が、いまだに問題発生後の復旧に自信がないと回答しているという。
データロスの全体的な発生件数は減少傾向にあるが、一方でデータロス1件あたりの失われたデータ量は激増しているという。調査対象の企業中、過去1年間にデータロスまたはダウンタイムを経験した国内企業は48%、全世界では64%だった。
国内企業で、過去1年間に発生した予定外のダウンタイムは、平均19時間(約2営業日)。全世界では平均25時間(約3営業日)だった。
日本企業の場合、障害で生じたビジネス面における影響は、従業員の生産性の低下(37%)、製品開発の遅延(30%)、顧客からの信用/信頼の低下(20%)が上位であり。全世界では、収益の損失(36%)、製品開発の遅延(34%)が上位だった。
ビッグデータやモバイル、ハイブリッドクラウドなどのトレンドに対し、国内企業の約3分の2(66%)が、これらのトレンドに対する災害復旧プランがないとした。3つのトレンドすべてについてプランを確立している企業は6%。全世界では、それぞれ51%、6%だった。
国内企業の50%がビッグデータ、モバイル、ハイブリッド クラウドを保護することは「難しい」と回答、全世界では62%だった。現在、全主要データの29%(全世界では30%)が、何らかの形でクラウドストレージに格納されており、問題発生時に非常に大きなデータロスにつながる恐れがあるとした。
EMCによると、多くの企業がデータ保護の課題解決のために複数の事業者を利用しているが、連携のないサイロ型のアプローチでは、リスクを高める恐れがあるという。3社以上のベンダーを利用してデータ保護ソリューションを導入している企業におけるデータロスの量は、1社のベンダーで統一されたデータ保護戦略を推進している企業の27倍。全世界では3倍。
データ保護ソリューションに3社以上のベンダーを利用している企業は、利用ベンダー1社の企業に比べて、インフラに対する投資額が平均で6億円(世界平均では3億円)多いとした。
調査は、2014年8~9月に世界24カ国の業員数250人以上の企業のITに関する意思決定権者3300人(日本:125人)を対象に調査会社Vanson Bourneが実施した。
内訳は、米国、英国、フランス、ドイツがそれぞれ200人、カナダ、メキシコ、ブラジル、ロシア、南アフリカ、トルコ、UAE、イタリア、スイス、オランダ、豪州、日本、中国、韓国、インド、シンガポール、香港、フィリピン、タイ、インドネシアがそれぞれ125人。