人というものが組織の心臓に相当するのであれば、データセンターはその頭脳、そしておそらくは口に相当するはずだ。ストレージやデータの取り扱いにおける質の高さは組織の成功に向けた鍵となる。
データセンターに力を与えるテクノロジやプロセスは急激な進歩を遂げてきている。それに伴い、最先端だとされてきたものが前世紀の遺物になる結果、新しいデータセンターの管理に必要なITスキルも変遷してきている。
Facebookのデータセンター用にカスタムビルドされたサーバラック
提供:James Martin/CNET
2015年にさらなる進歩を遂げるには、現在話題となっているホットなトレンドやテクノロジに目を向け、そういったものが将来的に組織に与える影響を見極めることが重要となる。
以下は未来のデータセンターに影響を与える5つのイノベーションだ。
#1:人工知能
多くの企業が人工知能(AI)と機械学習(ML)で成果を上げている。データセンターの分野でもこれらのイノベーションが応用されるようになるのは時間の問題だ。2014年、Googleが自社データセンターの運用を最適化するためにニューラルネットワークによるMLを用いているという発表がニュースとなった。また同社は、そのプロセスを説明するホワイトペーパーも公開している。
Googleはそのシステムを主に、データセンター運用の管理と最適化、特にIT負荷や温度、冷却設備の効率化に利用している。これらはすべてデータセンターのエネルギー効率を向上させるために役立てられているが、AIの応用は特定のタスクを特定のドライブに自動的に割り当てるといった、データセンターにおけるその他の問題に対する有益な解決策につながる可能性もある。
#2:IPv6
現行のIPv4(Internet Protocol version 4)のアドレスがらみの問題で、われわれの打つ手が限られてきているというのは、もはや万人の知るところだ。IPv4のアドレスは枯渇し、ルーティングテーブルは肥大化の一途をたどっている。この問題を(願わくば)緩和する代替がIPv6(Internet Protocol version 6)だ。これは当分先の話になるかもしれないが、IPv6は間違いなくデータセンターに影響を及ぼすだろう。
IPv6のアドレスは、コロン(:)で区切られた8つの4桁からなる16進数で構成される。IPv6のアドレス体系は、より多くのIPアドレスを使用できるようにしつつ、IPv4とも互換性を保つように設計されている。IPv6はアドレス数の増加に加えて、セキュリティの強化や新たなサービスのサポートといった効率の改善に関係するメリットももたらす。ただ現時点での普及率は低く、米国ではたったの14.5%、欧州諸国でも似たような数字となっており、中国は1.6%にすぎない。