またこの時期がやってきた。IT部門が翌年の計画を立てて、予算編成会議に備える時期だ。エンタープライズの2015年のIT関連購入リストの上位に入りそうな10項目を以下で紹介する。
1. WAN最適化
現場で業務を行う顧客および従業員向けの新しいウェブ対応アプリケーションが次々に登場する中で、法人IT部門は社内ネットワークの状態にも気を配らなければならない。インターネット自体のエンドユーザー体験の品質についても同様だ。「外側のトラフィック」を計測するネットワーク側の機器や、世界中のインターネットトラフィックを監視し、必要に応じてトラフィックをリダイレクトできるクラウドベースのソリューションに対して、新たなIT投資が行われるだろう。
2. ビッグデータ
ビッグデータソリューションでは、データセンターへの投資や、ビッグデータ関連のスキルを持つビジネスアナリストおよびデータアナリストの雇用への投資が今後も続くだろう。この投資は、リアルタイムのビッグデータストリームの利用と、モノのインターネット(Internet of things:IoT)を活用できる自動化の実装に移行していくという傾向が見られるようになる。
3. クラウド
エンタープライズは、オンプレミスとプライベートクラウド、およびパブリッククラウドソリューションを組み合わせたハイブリッドクラウド環境への移行を続けるだろう。IT部門は、特に外部ビジネスプロセスと、何年も前から内部のエンタープライズシステムをかいくぐってきたほかの厄介な問題に対処するためにクラウドを利用し、競争で優位に立つためにソリューションの市場投入を加速するだろう。
4. DevOps
より多くのIT企業がアプリケーション開発者とシステムソフトウェア専門家のコラボレーションや共同開発を拡大させるにつれ、ベンダーは基盤となるシステムインフラストラクチャを自動的にセットアップして展開できるツールセットを提供し、そうした動きに対応するだろう。これにより、開発者は最上位レベルのビジネス向けのコーディングに集中できるようになる。投資が行われるのは、アプリケーションの市場投入を加速し、多くのITスタッフが体験し始めている、より深いレベルでのシステムに関するスキル不足のリスクを軽減できる可能性があるからだ。
5. モビリティ
エンタープライズはモバイルデバイスと、社内従業員向けおよび外部の顧客向けモバイルビジネスアプリケーションの開発への投資を続けるだろう。モバイルアプリケーション開発のスキルを持つ人材を新たに雇用する可能性も高い。
6. 仮想化
この10年以上にわたって、データセンターではハードウェアの仮想化が着実に進められてきた。2015年には、インフラストラクチャソフトウェアの仮想化も同様の規模で進められるだろう。ソフトウェア仮想化の目標は、ライセンスコストをさらに下げることだ。このプロセスを簡素化できるソフトウェア仮想化ツールに対して投資が行われる可能性が高い。
7. デジタル資産
企業は自らのデジタル資産を評価し、収益化することを目指すだろう。デジタル資産は、ウェブサイトやソーシャルメディアプレゼンス、コンテンツ開発および管理、デジタルの世界で威力を発揮する新たな用途など、さまざまなものが考えられる。多くの企業は、ITおよびテクノロジ投資をマーケティングや販売チャネル、売り上げ、ブランド開発と結びつけるデジタル資産のアプローチに注力できるデジタル管理者を雇うことで、このプロセスを形式化するだろう。
8. データセンター施設
法人のサステナビリティへの取り組みに大きく貢献するものの1つが、データセンターだ。データセンターのエネルギー消費軽減に焦点を合わせた共同施設とITプロジェクトを助成するため、冷却および暖房システムと施設の建造の改善に対する投資が行われるだろう。
9. 監査
ウェブ対応アプリケーションとモバイルアプリケーションの急速な展開とBYOD(職場での個人用デバイスの使用)ポリシーの策定により、多くの企業はセキュリティとITポリシー、およびガバナンス監査に追加予算を割り当てるようになるだろう。
10. データセンターの自動化
IT部門は、エネルギー消費を制御し、事業継続と迅速なフェイルオーバーを目的とする夜間バッチジョブ実行、データアーカイビングおよびストレージ、バックアップ、システム同期の際に「節電」運用を可能にするデータセンター自動化への投資と実装を続けるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。