「MongoDB 3.0」は、これまで7つのリリース候補が公開されており、一般リリースは3月の予定だ。このリリースには、新しいストレージエンジン「WiredTiger」と、ツールセット「Ops Manager」が搭載される。
MongoDBは、オープンソースのNoSQLドキュメント指向データベース。今回、バージョン2.8からバージョン3.0へと数字が飛んでいる。これは、MongoDBによれば、今回の新しいリリースが単に漸進的な変化にはとどまらず、高速のストレージや優れた圧縮機能といった、元々バージョン3.0のために計画されていた多くの機能を含んでいるからだという。
Eliot Horowitz氏
提供:MongoDB
MongoDBの共同設立者で最高技術責任者(CTO)のEliot Horowitz氏は次のように語っている。「MongoDB 3.0は、本当にいろいろな意味で全く新しいMongoDBだ。新しいストレージエンジンとOps Managerを搭載しており、この2つが、人々のやり取りの仕方や、MongoDBで使えるアプリケーションの種類、企業への受け入れられ方といった多くの面を変える」
MongoDBによれば、同社が2014年12月に買収したWiredTigerは、書き込みが多いアプリケーションに向けて従来のエンジンの7~10倍高速で、業界標準である80%の圧縮率を備えているほか、メモリ管理機能が向上しているという。
「WiredTigerは、MongoDBを使用するアプリケーションの種類を大きく変える、はるかに進化したストレージエンジンだ。特に書き込みの多いアプリケーションや、特にミッションクリティカルな状況でパフォーマンスを発揮し、予測可能性を実現するだろう」(Horowitz氏)
同社はモノのインターネット(Internet of Things:IoT)や時系列データ分析、メッセージングや不正検出といった、今後考えられる新しい分野のアプリケーションを挙げている。
「時間的制約のあるクライアントが存在する、あらゆるアプリケーションに適用できる。金融分野では、時間が重要で遅延をなくしたいという多くのユースケースが考えられる。あるいは音声通話を扱う電話会社では、物事をリアルタイムで動かしているので、リアルタイムで変更することが可能でなければならない」(Horowitz氏)
「率直に言って、どんなウェブサイトでも、あるページをユーザーに提供するために多くのデータベースクエリを実行しなければならない場合に、バッググラウンド処理のせいで時々ユーザーを3秒間も待たせたりしたくはないだろう。人はウェブページが非常に安定していて予測可能で、何の異常もなくスムーズに動いてほしいと思うものだ」(Horowitz氏)
Ops Managerは、2014年10月に機能拡張されたクラウド自動化ツール「MongoDB Management Service」のオンプレミスバージョンだ。
「分散型データベースでは、少数のサーバをデプロイするのではなく、数百台、数千台というMongoDBサーバをデプロイしている。それを容易にスケールアウトし、きわめて大規模かつ効率的に管理するためのオペレーションツールが必要になる」(Horowitz氏)
「Ops Managerは、システムのデプロイメントからモニタリング、バックアップまで何でもそろっており、あらゆるものを管理できるようになる」(Horowitz氏)
「分散型データベースを使ってきた人々は、大規模なクラスタ環境のローリングアップグレードが20倍高速になると言っている。以前はスクリプトを書いて、数百台のサーバに手動でログインしなければならなかったのが、ボタンをいくつかクリックすれば、あとは進行状況を見ながらコーヒーでも飲んでいればよくなった」(Horowitz氏)
元はオープンソースライブラリの「Berkeley DB」(現在Oracleが所有)を開発したアーキテクトたちが手がけたWiredTigerストレージエンジンは、これまでなかったドキュメントレベルロック機能を提供する。